何がきっかけだったかな?南場智子さんが経営について書いた本があると知り、「読みたい!」とすぐ手に取ったもの。印象に残ったことを記録していく。
https://www.amazon.co.jp/不格好経営-チ-ムDeNAの挑戦-南場智子/dp/4532318955
※いつもみたいにサムネが出ないのはなぜ?
心打たれるエピソードが多く、全体的な感想をここに記すよりも、大切にしたい言葉をここに記録していきたいので、今回の読書記録は、南場さん語録になってしまうかも。
●まえがき
この本は、こんな前書きから始まる。メディアで見る南場さんは、エネルギーに溢れていて、それでいて自然体で、チャーミングで。そんな南場さんがそのまま文章になっている前書きから始まるもんだから、冒頭からグッと引き込まれて一気に読み進めてしまった。
南場さんは、マッキンゼーを出て、DeNAを起業。典型的なスタートアップ期から、見事、今のDeNAを創り上げた方だ。ご家族の病気をきっかけに2011年に社長を退任されてからも、今なおビジネスの世界で活躍され続けている。
起業のきっかけは、マッキンゼーのコンサルタントとして、クライアントと会食しているときに「そんなにいうなら南場さんがやればいい」と言われて、頭に電撃が走ったことだそうだ。その時の自分に対して、南場さんはこう回顧している。
私も今、「事業をやる」人の立場になって、この言葉にはすごく共感する。周りはとにかく良かれと思って、あれこれアドバイスをしてくれる。でもアドバイスしている人たちは安全地帯にいるし、実行する怖さや大変さを知らないのだ。
とはいえ、相当優秀な方だから、失敗や苦労の数など高が知れているだろうと思うと、そうではない。この本を読むと、華やかではない苦しくもがくようなタイミングが何度も何度もやってきて、それを乗り越えるたびに、DeNAが大きくなっていったことがわかる。苦しい時こと、成長の前段階なのだ。
●立ち上げ
立ち上げ時のエピソードとして、サービス名等を決めるにあたって、出資者たちとなかなか合意ができない状況に直面したが、そこで自分が「事業家」であることを自覚したというものがある。
●金策
この本で綴られている、立ち上げ期の苦労エピソードはこれだけではない。その中で一番「そんなことある?!」と思ったのは、リリース直前に、コードが一行もかけていないことが判明したという事件だ。
その時に、支援をしてくれたVCの方のメールの文章も学びが多い。
そんな窮地を乗り越えてもなお、事業状況としてはよくなく、金策に奔走していた時期はまだ続いた。そんな状況でも心折れずに前を向いて進めたのは、チームへのリスペクトだったようだ。
そんな中、業界No.1のヤフオクの値上げを、「これはチャンス!」と攻めにかかるシーン。このスピード感で、これだけの味方を集められのは凄すぎる。
で、この対ヤフオクの話で面白いのが、広告をどこに出すかという話のこれ。まさかの、敵、ヤフオクに出稿しようというのだ。そしてそれを、実現してしまう。
敵の協力?もあり、社員の家族までもがサポートに入り、ヤフオクへの攻撃を仕掛け続ける。
フィクションであれば、ここで弱者が強者に勝つエンディングだろうが、実際はそうではなかった。これでも、諦めないDeNAは業界No.1ではなく、黒字化を目標に変え、もう一度前に進もうとする。「諦めない」力って本当に強いんだな。
●退任
その後、DeNAの事業が軌道に乗り、次々と新しいヒットサービスを立ち上げる最中で、旦那さんの病気が発覚する。
こうして、後任を選ぶこととなる。
●人と組織
社長としての役割について、こんな記載がある。
これは、highoutput manegementでも指摘されていたこと。マネージャーの超重大任務なんだろう。
また、「いうだけ」と「実行する」のギャップにもこんなことが書いてあった。
また、「disagree and commit」に通づるこんな文章も。経営が決めたらやる。というだけじゃなくて、戦略的に決める前の検討をチームに見せないというやり方もあるのだ。これは国の違い(文化的な違い)によって良し悪しがありそう。
人集めに関しても。私はこれまで、諦めが早すぎたんだな、と感じた文章。本当に一緒にやりたいなら、心から何度も話をしないとな。
取り止めもない読書記録になってしまったけど、やっぱり私は「事業をやりたい」それもリーダーという立ち位置で、という自分の気持ちに気づいた本でした。やろう。大切なものを犠牲にせずに、それを実現する方法は必ずあるはず。