【UZUMAKI実験シリーズ1】ギルド型組織×オフショア開発の可能性と解決できる課題について
2020年のUZUMAKIでは、いくつか実験的な取り組みを行なって行こうと考えている。その1つが
”ギルド型組織×オフショア開発” だ。
昨年、ベトナムでオフショア開発をしているgenkiシステムさん、という会社を訪問した。
社長の会田さんとは、お互いが起業する前から10年来の付き合いなのだが、UZUMAKIメンバー数人とベトナムの本社を訪問し、
1週間ほどリモートで日本の仕事をしながらオフィスに滞在させてもらった。
ベトナムのオフショア開発事情についても色々教えてもらった。
もともとは日本からのウォーターフォール的な請負の案件が多かったが、
最近はアジャイルの案件が増えてきているらしい。
いわゆる、ラボ型開発という形態だ。
UZUMAKIの取り組んでいる納品のない受託開発、の海外拠点版ともいえるだろう。※人によって定義の違いはあるようだが
つまり、請負でなく準委任契約で進める形式。
自社の開発チームを海外に持っている状態、と捉えるとわかりやすいかもしれない。
ベトナムの技術者たちに触れて考えたこと
genkiシステムは、元IBMのトップエンジニアだった会田社長が立ち上げた会社。
社長自身が新しい技術に対する感度が高いこともあり、社員たちも積極的に新しい技術にチャレンジしている。
現地の若いメンバー達と交流しても
例えばウェブプロントでreactやVue.jsを使うとか、新しいものを触れるのならぜひやりたい!などの話が頻繁に出てきた。
非常に意欲が高く勉強熱心だ。案件に対しても当事者意識を持って取り組んでいる。
しかし、意欲はあっても、
ベトナムではギーク系のイベントやエンジニア勉強会などは少ないらしく、キャッチアップの機会に飢えているような印象を受けた。
それを目の当たりにした時、こう考えた。
「UZUMAKIのコンセプトの1つは、技術のシェア。UZUMAKI×ベトナムのオフショアラボ型開発には可能性があるのでは」
ベトナムには意欲が高く、学びたい若い技術者が多い。
一方でまだ経験が少なく、実際の案件でも経験不足からのつまづきや、問題解決に時間がかかるといった課題があるらしい。
UZUMAKIには、ブリッジエンジニアの経験が豊富なメンバーも複数名いる。
うちのエンジニア陣が案件のリードやマネジメントをし、ベトナムの若手エンジニアが手を動かすという役割分担は可能だろう。
そしてUZUMAKIがコードのレビューをしていくことで、現地メンバーの技術力も磨いていくこともできそうだ。
あとは距離や言語の問題だが、
そもそもUZUMAKIは、ほぼ完全リモートで仕事をしている。
genkiシステムのベトナムメンバーたちと、同じチームとして毎週スプリントを組んでいけば距離があっても仕事を回せるのではないか。
チームの言語は英語になるだろうけど、UZMAKIメンバーの英語への意識も(学びたい意欲も含め)高いのでその点でもwinwinだ。
さらにオフショア開発、という響きには「安いが品質はいまいち」というイメージがまだあるのではないかと思う。
今回の取り組みを通じて、そのイメージも変えていけるかもしれない。
乱暴にいうとクオリティの担保と、オフショアの”リーズナブルさ”のいいとこ取りができる可能性がある。
経済成長率の高いベトナムでの競争力の観点から
genkiシステムの会田さんも、UZUMAKIから技術力のシェアを受けることを前向きに捉えてくれている。
メンバーの技術力底上げもあるが、会社としての競争力の強化という観点もあるようだ。
ベトナムは経済成長率が高い。
それに伴い特に若い世代の人材流動性が高く、企業が魅力を出せないと技術者たちはすぐに転職してしまう傾向があるらしい。
genkiシステムでは、新しい技術を積極的に扱う会田さんのこだわりもあり、
一般的なオフショア開発の会社と比較して低い離職率を保っているが、
UZUMAKIと組むことで、メンバーがさらに新しい技術を学びやすい土壌を提供できる。
それは技術者の離職を減らしたり、採用力を保つ上でもメリットが大きい。
ギルド型×オフショアラボ開発のメリット
UZUMAKI×genkiシステムのオフショアラボ型開発の取り組みには下記のようなメリットがあると考えている。
1.UZUMAKIとしての開発リソースの確保
UZUMAKIのメンバーは現在20名ほど。皆フリーランスや副業メンバーのため、大規模案件は状況によっては受けきれないケースがある。今回の試みによってリソースが確保され、大規模な案件も受け入れられる可能性が高まるだろう。
2.クオリティが高く、かつ、比較的リーズナブルな開発力の提供
UZUMAKIには自分の名前でも仕事のできるメンバーが揃っているため、
案件の単価として正直安いとはいえない(もちろん、それに見合うものを提供しているという前提だが)。
ベトナムの若手メンバーとの連携や役割分担により、クオリティを保ちながら今よりもリーズナブルな単価で受けられるケースが出てくるだろう。
それはオフショア開発のイメージを変えていくことにも繋がるかもしれない。
3.国を跨いだ技術力のシェア、新しい働き方の浸透
今回の取り組みを通じて、UZUMAKIの目指す姿である「ビジネス×コミュニティー」や「技術のシェアリング」を国を跨いで行うことができるかもしれない。それは新しい働き方の形を作っていくことにも繋がるだろう。
もちろん、実際にはやってみないとわからない。
今はまだ見えていない課題もきっと生まれてくるだろう。
そこは仮説検証して、またこういう場でシェアしたい。
というわけで、今年は実験的にもベトナムとの共同開発にぜひ取り組んでみたいと考えている。
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