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どうしようもできない事が起こったら

見えない存在達の溜まり場になっていた部屋をお祓いしてもらい、平和が訪れたと思いきや、彼らは外で待ち伏せしていました。

隊舎の外に出ると、体調が悪くなるのです。
特に元OLのお姉さんは、ますます歩くことが困難になり、松葉杖での生活となりました。

わたしたちの知恵の及ぶ範囲の最善は尽くしました。
しかし敵はそれ以上に強大でありました。
基地は広大で、お祓い云々で解決できるような問題ではありませんでした。


インターネットもケータイも普及していない時代、情報源は乏しく、基地外に外出できない。

いったい、どうすれば健康に安全にすごせるのか…。


わたしたちは、ただただ訓練に集中したかった。
それぞれの夢を叶えるため、与えられた課題をこなし、自身の能力を高めたかった。


無力なわたしたちが出した結論は、
『自分自身が強くなる』ことでした。

強大な敵を排除するのではなく、一旦受け入れる。
怯えるばかりではなく、敵の存在を認めるのです。

そして、負けないためには、敵より自分が強く在る必要があります。
そのためには、敵を知ることが重要になります。


見えない存在の彼らが何をしたいのかは判りませんでしたが、今思えば、靈感の強い新隊員たちに、何かを伝えたかったのかもしれません。


とはいえ何も解決できなかった私たちは、自分がいかに無力で弱いかを思い知らされました…。


駄菓子菓子!


弱いからこそ、無知だからこそ、心身を鍛えて勉学に励むのであります!
与えられた環境で、できることを真摯に取り組む!
学びあるのみ!


わたしたちは見えない存在にも自分の弱い心にも負けない!
自分の生き様は自分で責任を取る!



もちろん、自衛隊新隊員教育課程で、見えない存在云々の教育はございませんが、何故か私たちの班は靈感が敏感すぎる体質の人ばかりで、あてがわれた部屋は靈と呼ばれる方々の通り道であり、溜まり場でありました。

訓練に支障をきたし、普通に生活することもままならない日々が訪れるなんて思ってもみませんでした。

しかしながら、生きるために重要な精神性を学ばせていただいたような氣がいたします。

よく言うじゃないですか

『人生において起こる出来事は、全て成長のための学びである。解決できない問題は起こらない』って。

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