短歌連作『モノクローム・ワンダーランド』

光源が近くて僕は白くなる 消えちゃう前に影は濃くなる

ここでは血も泥も黒い。君は僕の手を取るそこにインクが溜まる

コマ割りの外を僕らは歩けない(トーンの掠れで視界は滲む)

顔のない彼を知りたいけれどまだ薄くて掴むことすらできない

ケント紙に広がるここが全てだといつから思い込んでいたのか

劈いた尖った声が刺さり抜けないままここへきたんだ、褒めて

7巻で僕の人生は終わった あなたがいたからできたことだ


「愛してる」なんて使わず教えてよ、モノクロームの世界は光る

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