ロボットへの揺るぎない情熱| ユカイ工学エンジニア 山田康太 インタビュー
みなさんこんにちは。デザイナーの はらだ です。
先週終了したBOCCO emoのクラウドファンディング。
なんとユカイ工学史上最高額のご支援をいただきました!!
本当にみなさんありがとうございました!!
今回は、BOCCO emoチームインタビューにも登場してくれた、エンジニアの山田さんに話を聞きました。
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マイノリティだからこそロボットにハマった
----- 山田さんはいつからロボットに興味を持ったのですか?
山田
小学1年生の時に買ってもらった雑誌の付録がきっかけですね。
ロボット大図鑑のような小さな冊子がついていたんですけど、それが大好きで。ずっと持ち歩いていました。
冊子にはASIMOとかいろんなロボットが載っていて、超好きになっちゃったんですよね。
その影響もあって、小学生のうちからオリジナルロボット製作を始めてました。4年生の時にROBO-ONEっていう二足歩行ロボットの大会を知って…初めてちゃんと歩くロボットを作ったのが5年生の時かな。
----- 周囲にはロボットに興味を持っていた人はいましたか?
山田
いませんでした。いないのがまた嬉しくて。
人と一緒なのが嫌で、ロボット好きなのは僕が一番だ!って気持ちが強いんです。
だから当時、周囲にロボット好きがいなかった環境が、逆に僕をロボットにのめりこませた要因だと思ってます。
----- 中学生になってからもずっとロボットを作っていたんですか?
山田
ロボット製作はずっと続けてましたね。
ただ、中学時代は友人と遊んだり、「有名になりたい…Mステに出よう!」ってアコギ買って福山雅治さんの曲を練習したり…ちょっとブレたかも。笑
でも、自分が本当に好きなものが何かを明確にする上で、いろんなことに手を出して正解だったと思います。
10代の頃は何者かになりたくて、モヤモヤしながら色々模索しました。
きっとそのモヤモヤをロボットが解消してくれたんだと思います。
気づいたらロボットエンジニアになっていた
----- ユカイ工学に入ったきっかけを教えてください。
山田
ロボットはずーっと作っていたのですが、21歳までニートでした。
そろそろ1回働いてみるのもいいかなと思い始めた頃に、ちょうどアート・ユニットの明和電機の忘年会に呼んでもらえる機会があって。そこでユカイ工学の人にお会いしたんです。
その時、リュックサックにロボットを連れていたので、「僕こういうロボット作ってるんです」って見せて連絡先を渡したら、驚くことに1ヶ月後にはユカイ工学にいました。
2016年の1月14日にユカイ工学の門を叩き、まずアルバイトとして入ったんです。その年の5月には社員になりました。
アルバイトの面接はCTOの鷺坂さんがしてくれたんですけど、今まで作ったロボットを見せたら爆笑してくれたのを覚えています。
----- 印象に残っているお仕事はありますか?
山田
これもまた不思議なご縁なのですが、鷺坂さんがいらっしゃった東大の研究室がクライアントになるお仕事があって。空気圧のロボットの基板を作ったんです。
中卒で我流の僕が、王道のロボットを研究している東大の研究室に行って…。 そのコントラストになんだか高揚感を覚えました。
その基板は鷺坂さんのご指導もありつつ、結構良い感じにできたと思ったんです。そこから「あ、基板って良いな」って思って。
そこから相当基板の設計業務を担当したので、ユカイで一番基板設計をしている自信はありますね。
僕は自分自身のことを、オリジナルロボットを作っている山田社長モードと、ユカイ工学のエンジニアモードと2面あるな〜って思ってて。
山田社長モードの時は、自分の世界観をゴリゴリに出したいから100%自分!って感じになるんです。逆にユカイ工学のエンジニアモードの時は、自分を押し出すことはあまりしていなくて。
いろんなメンバーと一緒に作るからこそ、無理に主張しなくても良いというか。みんなの熱量が集まって丁度良いバランスができてるように感じます。
エネルギーの根幹は好きな気持ち
----- ロボット作りのエネルギーはどこから湧いてくるのでしょうか?
山田
ロボットという概念がめちゃくちゃ好きなんですよね…!
僕を何者かにしてくれるのがロボット。
だからロボットが作れない時間が続くと、発作というか…「作りたい…作りたい!!」ってなっちゃって。お昼休憩の1時間も自分のロボット製作の時間に充てているくらいで。
ある種の中毒なのかも…お酒とかタバコの位置にロボットがいるんですよね。
120円のパンか130円のパンか、どっちを買うかで超悩むのに、ロボットの材料になると2万円ドンッって出せちゃったり。自分でもよくわかんないんですよね。
今年は特にそれが強くて、長年の夢だったROBOT CAFEをオープンしました。
----- Maker Faire Tokyo 2020でもお披露目されていたROBOT CAFE、開業おめでとうございます!ユカイメンバーも遊びに行かせてもらいました。
山田
ありがとうございます!
たくさんの人がカフェに足を運んでくださって…本当に嬉しかったです!
ROBOT CAFE開業の瞬間は、全部一人で作ったので…なんだか感慨深かったな。
小学校の卒業文集に「世界一のロボットエンジニアになる」って書いていたんです。ユカイ工学に入って、肩書きとして叶った部分もあるのですが、夢はまだ終わっていなくて。ユカイ工学で得た知識をオリジナルロボット作りにも常に反映してアップデートしています。
これはいつか個人のnoteにも書こうと思っているのですが、卒業文集に「ロボットと漫才コンビ組んでM-1グランプリで優勝したい」とも書いていて。16歳の時に相方ロボットを作ってお笑い事務所のオーディションを受けたことがあるんです。
その時に作ったロボットが今のロボットの下地になっています。
僕のロボットは必ず目や口が動くようにしていて、ロボットの表情は一番のこだわっている部分です。
15歳の時に初めて出たROBO-ONEがターニングポイントかもしれません。たくさんのロボットがいる中で、僕のロボットってちょっと浮いてたんですよね。
そこで改めて、配線とかが見えている王道っぽいロボットって僕らしくないな〜って思ったんです。
大会自体は、勝ちに行くぞ!って挑んだら一回戦でボロ負けして。
「初出場・最年少・初優勝…これはスターになっちゃうな」って思いながら挑戦したのに…泣きながら帰りましたね。笑
でも、そこでボロボロに負けたから、自分の得意分野がハッキリしたんです。
そこで「あぁ、もう戦うロボットや技術的に優れたロボットは僕には無理だ」って諦めがついて、エンターテイメント側にシフトしました。
なんというか…王道のONE PIECEとかよりギャグ漫画みたいな方が良いかなって。
----- ある意味でROBO-ONEは挫折経験だと思うのですが、ロボット作りをやめようとは思わなかったんですね。
山田
そうですね。ロボットの才能には謎の自信があって。
激しめの自信が芯になって、ずっとロボットを作ってきました。
今まで大会などで優勝したり、ユカイで仕事しながらいろんなロボットを作ってきたので、その芯も幹のように結構太くなりましたね。
ロボットがいつでも僕の夢とリンクしていて、そこは揺るがないです。
畳一畳のテーマパークを作りたいっていうのは常々考えています。
夢といえば、思い返すとディズニーの影響もあるかも。
好きでよくディズニーランドに行くんですけど、あそこには何百体とロボットがいるじゃないですか。あれって「ドリーム!」って感じがするんですよね。最高のロボットの就職先というか…素敵なロボットの使われ方だと思います。
一緒に働くなら、ものづくりが好きな人と
----- どんな人と一緒に働きたいと思いますか?
やっぱりものづくりが好きな人はたまらないですね。
技術の輸出入ができたり、話ができるとテンションが上がります。
BOCCO emoのチームインタビューに一緒に参加していた高岡さんには、塗装のやり方を教えてもらいました。あとはkurikitシリーズを開発した和田さんとも、ロボット作りのアツい話をしたり。
会社の設備が整っていたり、ものづくりがしやすい環境もあるのかなって思いますが、ユカイ工学には個人でものづくりをしている人が多いので、楽しいな〜って思いますね。
インターンにきてくれる学生さんたちが作っているものを見るのもやっぱり楽しくて。この人はユカイ工学ではどんなことしてくれるのかな?ってワクワクします。
社内外関係なく、ものづくりをしている人は魅力的だと感じますね!
こんな話をしてると、またロボットを作りたくなってきました…!
----- ありがとうございました!今後の活動も楽しみにしています!
あなたもユカイ工学で働いてみませんか?
編集後記:謎の自信の重要性
ロボットについて誰よりも楽しげに語る、この情熱は一体どこからくるのだろう?
インタビューをするまで、ずっと不思議に思っていました。
「ロボットの才能には謎の自信があって。」
ハニカミながら話してくれた彼を前に、私は思わず盛大に笑ってしまいました。彼のこの言葉がすべてなのかもしれません。
謎の自信って強いですよね。
自信っていろんな付け方があると思いますが、謎の自信は気づいたらあるような不思議な存在です。
そうそう。私もひとつ、謎の自信があるんです。
それは、人運があること。どんなに苦しくても、必ずターニングポイントになるような人に不思議と出会えるんですよね。
もちろん、彼もそのひとりです。
その他のインタビューnoteはこちら
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