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甘噛みハムハムにユカイなビジネス戦略ってあるの?

みなさま、初めまして。ユカイ工学CMOの冨永です。

2016年に入社し、営業から企画販売まで様々な業務に携わってきました。また、2022年に発売した甘噛みハムハムの企画提案者でもあります。

ありがたいことに2022年は甘噛みハムハムにとって、かけがえのない1年でした。

今回は、甘噛みハムハムのビジネス戦略についてお話ししたいと思います。

甘噛みハムハムとは

「甘噛みハムハム」は、赤ちゃんや幼いペットの短い期間にしか体験できない幸せなしぐさを再現した、世界初の甘噛みロボットです。心地いいけれど、止めさせないといけない、魅惑の「甘噛み」を、いつでも味わうことができます。

指を甘噛みしてくれる甘噛みハムハム「コタロウ/シバイヌ」
甘噛みハムハム「コタロウ/シバイヌ」

2022年1月にCES 2022で発表以来、国内外のSNSやメディアでも大きく話題になりました。

その後、3月に挑戦したクラウドファンディングでは目標の2297%、支援者数2267名、支援総額11,485,575円を達成しました。その年を象徴するプロジェクトのひとつとして「CAMPFIREクラウドファンディングアワード2022」では、プロダクト賞も受賞することができました。10,000件を超えるプロジェクトの中から甘噛みハムハムが選ばれとても嬉しかったです。

当初予定していた生産数の3倍もの予約や受注見込みがあり、なんとユカイ工学史上最高の初回出荷数2万匹が完売に。そして、追加増産を行い、一般発売から約5ヶ月で累計販売数が3万匹突破に至りました。現在は一般販売だけでなく、企業やキャラクターとのコラボレーションの実現も増えています。


甘噛みハムハム誕生のきっかけ

ユカイ工学では毎年ものづくりイベント「メイカソン」を開催しており、甘噛みハムハムもそこで誕生しました。

メイカソンで社員の妄想を発表し、社内外の評価を受け「なんだかいけそう」と判断すると、製品化に向けたプロジェクトとして動き出します。
甘噛みハムハムは私のアイデアからスタートしたので、先頭に立って社内に対して売りたいということを声高に叫び、ビジネスプランを書いて、アイデアを前進させていきました。


ビジネスプランを考える

ビジネスプランを考える際には前職の玩具会社での経験を活用しています。
玩具会社でプロダクトを一般発売するまでには下記のような流れをとることが多いです。

  1. プロダクトを生み出す

  2. 世の中に発表

  3. PR活動を行販売店へと商談

  4. 数を出してもらい納品

  5. 発売日を決めて一般発売

玩具は単発商品を次々と出していくことは多くなく、一つの大きな世界観を作り出し、その世界観の中で価格やターゲットなどにあてはめた商品を発売するものがほとんどです。これは、アニメや人気キャラクターなどと組み合わせたプロダクトや、ごっこ遊びの世界観で表現されるようなものが多くあるからです。

もちろん、単品勝負(アイデア勝負)するものもあり、私はアイデアで商品発売をすることが多くありました。甘噛みハムハムもアイデア勝負の分類に入ると思います。

甘噛みハムハム「ゆず/ミケネコ」と「コタロウ/シバイヌ」
甘噛みハムハム「ゆず/ミケネコ」と「コタロウ/シバイヌ」

甘噛みハムハムは、ぬいぐるみメーカーのりぶはあとさんのねむねむアニマルズ®️とのコラボである「ゆず/ミケネコ」と「コタロウ/シバイヌ」を商品の第一弾として発表し、愛らしい表情と甘噛みという仕草が相まって非常に話題になりました。

事前の反響も多かったので、単品勝負でも世の中に出したら売れると思いました。しかし、今までの経験から、発売後はニュース性が失われ、販売数が良くても現状維持となる可能性があることも危惧していたのです。

そこでユカイな戦略で甘噛みハムハムをより話題化させる方法はないかと考えました。


甘噛みハムハムのビジネス戦略

一番先に考えついたのが、第一弾が「ゆず/ミケネコ」と「コタロウ/シバイヌ」なので、動物を新商品として定期的に販売していくプランです。しかしそれだけと、話題性の部分で動物頼みになるので、なかなか難しいものがあります。

手に取りやすい価格帯で出すことを意識して、誰とも被らないプレゼントとしての立ち位置も良いかなと思いましたが、まだ足りない。

ヒントになったのが、ファンクラブなどの運営をされている方との商談でお聞きした悩みでした。ファンクラブでは、グッズ企画はとても重要なのでタレントさんも色々考えるが、ロットが合わずに面白いことがなかなかできないそうなのです。

つまり、「小ロット製造」と「コラボレーション」これが甘噛みハムハムを魅力的にさせる鍵になるのではと思いました。


甘噛みハムハムの鍵

  • シリーズ展開

  • 手に取りやすい価格帯

  • 誰とも被らないプレゼントに

  • 小ロット製造の実現

  • コラボ製品でより幅広い層へ

コラボレーションの副産物として大きいのが話題性です。

多くの新商品は発売時は盛り上がりますが、半年くらい経つと自前での広告宣伝、PRやプロモーションを行っていかなければ、話題性を維持できないということが多くあります。

一方で、他社とのコラボレーションの場合は、すぐには決まらず次のような流れで発売を目指します。

  1. 企画提案や交渉

  2. サンプル作り

  3. 監修・チェック

  4. 情報公開日や発売日決定

つまり、それぞれの開発サイクルを調整し、新製品発売後にコラボ製品を発表することで、盛り上がりを途切れさせることなく製品を世の中に伝えることができるのです。

ユカイ工学が独自開発した「ハムリングシステム」を活用すると、様々な企業のぬいぐるみ製品などと組み合わせてオリジナルのOEM製品を作ることができます。

甘噛みハムハムの特性「ハムリングシステム」を活かしたコラボ(OEM)戦略はとってもユカイなんじゃないかと考えました。この「ハムリングシステム」を活用すれば、様々なキャラクターの甘噛みハムハム化が実現でき、世の中にたくさんの甘噛みハムハムを生み出すことができるのです。


人気キャラクターとの初コラボ

そして、ついに2022年末に羊毛フェルト人形のストップモーションアニメで大人気「PUI PUI モルカー」との初コラボが実現しました。

羊毛フェルト人形のストップモーションアニメで大人気「PUI PUI モルカー」と「甘噛みハムハム」が初コラボ

このほかにも、いくつものコラボ案件が同時進行で進んでいます。

企業からのお問い合わせも多数ありますが、ユカイ工学側からも色々とお声がけさせていただきました。
「あんなキャラクターの甘噛みハムハムが商品化されれば嬉しい」「こんなキャラクターの甘噛みハムハムがそばにいると癒やされる」など、多くのキャラクターをチームで検討しては、お声がけをする日々。

中には、「このキャラクターは甘噛みしないので、無理です。」「甘噛みというよりガチ噛みなんで、合わないですね」「このキャラクター実は下顎がないんですよね」などのご意見をいただくこともありましたが、色々と発見があり面白い商談でした。「甘噛み」というキーワードで商談を重ねたのは世界で初めてなんじゃないでしょうか。

その中でも、「面白いですね」と話が進んでいき、最初に発表となったのが、モルカーです。その話はぜひこちらのnoteで。


最後に

甘噛みハムハムにはユカイなビジネス戦略を用意しました。
この戦略を持って、色々な方々とご一緒できると嬉しいなと思っていますし、色々な人の指をハムハムしながら、自然と笑顔になるようなOEMコラボをこれからも作っていきたいなと考えています。

こんなキャラクターにハムハムされたいや、こんな使い方あるんじゃない?など、あればお声がけください。みなさんと一緒に、面白い取り組みをこれからもしていきたいなと考えています。

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