パリは燃えているか?

それではなんで彼は、ガソリン価格上げたの?なんで炎上しちゃったのについて説明したいと思います。

流れ

マクロン 「改革しないといけないからガソリン税上げるわ」

市民「生活基盤のガソリン税が上がったらもう生きていけないもうデモするしかない!!!」

炎上 ←(いまココ)

です。

さて、では何故マクロンはガソリン税を引き上げたのでしょうか?前回に引き続き

公共交通機関の民営化 を説明します。

フランスが抱えている問題として、非常に脆弱な公共交通機関と大都市における交通インフラの脆弱性があります。それとヨーロッパの中国問題ですね。

交通インフラの脆弱性とは第二次世界大戦時にパリなどの主要な地域が焼け野が原にならなかったので、現在の車社会に最適化された都市設計が出来ておりません。

道路は狭いし古いし石畳ですしね。(なのでパリは街並みがおしゃれなのです。)

裏道も車の交通に使えないですし、フォードが車をベルトコンベア使って量産する以前の想定で都市設計されているのを今でもそのまま利用しているのでとても現代の社会情勢に最適化されていないのです。

フォード以前は車が人々全てに行き渡るなんて想像できなかったのです。

なので交通インフラがけっこう詰まります。最近はAmazonの台頭によってさらに交通インフラを圧迫しておりますしね。

日本は首都東京が焼け野が原になり、復興時に車や未来の都市交通網を意識しての都市計画を行なったため道路網が最適化されているので、渋滞がおこりにくいうえ、公共交通機関も民営化されているので、東京都内に在住の人々であれば車に依存しなくても公共交通機関を使えば良いのです。

そういった中マクロンとしては燃料税を上げることで都市部の人間を出来るだけ公共交通機関に誘導したいという思惑もありました。

しかしここで公共交通機関の脆弱性が人々の足をひっぱります。

まず、フランスの公共交通機関は国営企業です。日本の旧国鉄時代を知っている人は旧国鉄のサービスを思い出していだければ良いと思います。

わからない若い世代の人に補足すると、しょっ中ストライキを起こして交通インフラを麻痺させますし、ecuteなどといった駅チカや駅ナカのサービスなどはありませんし、目線が顧客ではなく政府を見て経営するのでどうしても非効率的になりがちですし市民のニーズに答えられません。

日本のように民営化がスムーズに行われていればストライキもしませんし、駅ナカサービスは便利ですし。なにか災害があってもすぐに復旧するので人々は公共交通機関に依存しても問題ないのです。

これがフランスだとサービスは悪いわ、しょっ中ストライキおこされるわでフランスの公共交通機関をあまり信用してないので都心の人々でも車を所持することになります。

こういった中、マカロンも公共交通機関を民営化したいという思惑がありました。しかしここでフランスならではの問題が発生します。

フランスは基本的に個々人は個人主義のくせに 大きな政府が好き

というヨーロッパの中国みたいな思想を持った人々が住む国家です。基本的に自由、平等、博愛の文化なので、超個人主義だしLGBTだったりマイノリティ、少数民族、宗教にとても寛容です。

しかしフランスのもう一つの側面は人々は手厚い保護を政府に求めております。福祉、医療、教育の充実や、公務員の権利を守る事などですね。

フランスは基本的に上記交通インフラでも上げた通り公務員天国ですし、とても助成や福祉などが充実しております。

そうなると当然国庫を圧迫します。

そうなると、イノベーションを起こしてGAFAのような超優良産業生み出す努力をしたり、次世代の稼ぎ頭になりそうなEV(電気自動車)に決め打ちしたりしてGDP(国内総生産)を引き上げなければなりません。

それがガソリン税の引き上げによる、政府の財務を増やし、尚且つ公務員改革であり、EVに産業をシフトするやり方。

雇用の流動化を進める事でGAFAのような超優良企業を将来生み出す土壌を作る為の失業の簡略化政策なのでした。

そうすると、勿論不利益を被る人が出てきます。

地方に住む、車に依存しないと生活できない人々、改革される事で利権を毟り取られるかもしれない公共交通機関の労働者たち、それと若者です。

こういった人々が
Facebookとかで拡散しやすい、市民運動が起こりやすい(フェイクニュースとかが紛れこみやすい)環境で一気にガソリンに火が付き炎上したのが今回の

パリは燃えているか?

事件の内訳なのでした。

ちなみに昨今日本では総合職やめてアメリカやヨーロッパのようなジョブ型雇用に変えよう!とかのスローガンをよく耳にします。ジョブ型雇用にすると若者が割を食います。要するにジョブ型雇用にすると若者の失業率が上がります。

日本だと今は若者の失業率は3%程度ですが、フランスですと8%位です。

という事で明日は総合職とジョブ型雇用について説明します。

少しでも気に入ったり参考になれば幸いです。 いただいたお金で本を買いより有益な情報をお伝え出来れはと思います。