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休憩室管理人の一日

このnoteを書いている場所のことを少し書きます。
名前は『上町休憩室』といいます。
誰でも蔵書を自由に読める休憩所で、無料です。
今日は管理人の一日の流れをちょっと紹介します。


管理人出発


一週間の間に知人や寄贈者さんから預かった書籍やチラシ、それにノートパソコン、昼食などを抱えて家をでます。それと、休憩室に飾るために庭から植物を切って持っていくこともあります。
とはいっても多くはローズマリーやミントで、そこに一二種類の草花が混ざれば良いところ。名前のわからない葉っぱを持ってくることもあります。ともかく非常にシンプルな緑なのです。
大抵は鞄二つの大荷物になり、片方からは葉っぱやツタが飛び出ています。決して怪しい者ではございませんので交差点の信号待ちでじろじろ見ないでくださいね。


到着後




休憩室へ着いたら、まずこの切り花たちを花瓶へ生けます。新鮮な緑は古書との相性がとても良い気がします。以前青山にあったヘイデンブックスというお店をご存知でしょうか。本とカフェ、音楽が同居した素敵な空間でした。そこでは並んだ書籍の向こうに大きなガラス窓があり、店主さんが一服する小ぶりなテラスには鉢植えが並んでいて、本と緑のそばにいるだけで幸せな気分になれる場所でした。

さて、休憩室では切り花を生け終えたら、ベンチを外へ出します。このベンチは商店街の活動で所々に置かれています。上町というところは駅から少し坂道を登ったところにあるので、とくに高齢者の方々は一休みできるこの長椅子が助かるようです。
休憩室の前にあるベンチにも色々な方が腰をかけていきます。先日は両手に12ロール入りのトイレットペーパーを二つ抱えたご婦人が「安かったから、つい」といって苦笑いしながらそのベンチで休憩していかれました。そんなほのぼのとした時間がとっても好きです。



棚に並べる




それから簡単に掃除を済ませ、新しく入荷したチラシをフライヤーコーナーに設置したり壁に貼り出したりします。このチラシ類は知人や近所の施設の方が届けてくれますし、自分が出先で気に入ったものを集めたりもします。それからイベントに携わっている方が持ち込まれることもあります。市外から来た方にはご近所の情報をお伝えし、ご近所の方には東京や市外の情報を手にとってもらえたらいいなと思ってもいます。

あ、ちなみに鎌倉にある書店「たらば書房」さんのフリーペーパー『たらば通信』は創刊号からありますよ。





他にはZINEやフリーペーパーも揃えたいなと思っていて、友人の力を借りたり出先で物色して少しずつですが増やしています。(誰かに読んでもらいたい、置き場を探しているというZINEやリトルプレス製作者の方はお声がけください。*お店ではないので販売はできませんが)




そして、新たに入荷した蔵書を棚に並べていきます。棚で表紙をこちらへ向けた面陳という陳列方法を暫く続けると本に歪み癖が付くので時折陳列する本を入れ替えます。それはTwitterで『本日の面陳』などといって紹介したりもします。よければこちらもフォローしてください・・@uwaq217です。



昼食


来場される方々の様子を見ながら、空いた時間にお昼ご飯を食べます。
大抵はサンドウィッチやオニギリです。
あっ、時々近所のお蕎麦屋さんで出前をとり、ざるそばをすすっている時もあります。ちなみに、商店街にはパン屋さんや和菓子屋さんなどもあるので来場される皆さんも遠慮なく商店街で買い物したものを持ち込んで下さいね。

近所には前出の大正時代から続くお蕎麦屋さんの他にもレトロな定食屋さんもありますのでお昼がてらにお寄り下さい。



ご来場のみなさんと・・


来室された方々とお話しすることも度々ありますが、初対面の方にはこちらから積極的にはお声がけ致しません。というのも声をかけると退室されてしまう方が結構いらっしゃるのと、そんなにトークが得意ではないということもあります。ですが、もしご質問や情報交換などありましたらお気軽にお声がけ下さい。ちなみに「Twitterみてます!」とか言っていただくと内心は身悶えしながら喜んでいますのでよろしくお願い致します。

そんな中でこれまで出会った方々の中には面白い方が沢山いらっしゃいます。
横須賀で育った噺家さんや作家さん、編集や出版に携わっておられる方も来室して下さいました。

また、管理任務の楽しみのひとつは移住者さんからお話を聞く機会があることです。市外から移住された方々は産まれながらに横須賀で生活されている方々とは違った視点でこの街をみていることも多々あり、そういったお話や情報交換ができるのは非常に嬉しいことです。


閉室




日の暮れる18時が通常の閉室時間です。外へ出していたベンチをしまい、看板を片付けます。次週に備えTwitter用の写真を撮影したり作業を少しこなして灯りを消します。シャッターを閉めて一日の任務が完了。最後までいらっしゃった方々はそのまま街へ繰り出すこともあるようです。休憩室の通りを挟んだ目の前にもCafeBarが二軒あり、夕方のビールやコーヒーを飲むには最適です。管理人もちょこちょこお邪魔してリラックスタイムを過ごさせてもらっています。


以上で休憩室での一日は終わり。清々しい風が流れていきます。もちろん時々は冷たい風雨の中、襟を立てて震えながら帰宅します。しかし、天候や季節、時間帯によって様々な道ゆく人の後ろ姿をみられるのも休憩室任務の楽しいところです。

現在は開室日が限られていますが、日取りが重なったときに横須賀へいらした際は是非お立ち寄り下されば幸いです。(2019年8月現在は毎週土曜が開室日 急なお休み等はツイッターでお知らせしております。)

では、また休憩室で。



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