とある受験生の日記 2021/1/10
こんばんは。とある受験生の大越(おおごえ)です。
今日はいざ初詣へ。去年は面倒くさがっていたような気がするが、来年に受験を控えた今年は気の持ちようが違う。何としてでも受験合格を祈ってやるのだと、意気込みは十分だ。鳥居なんか睨みつけてやった。私が神様だったら、こんな奴の願いなど絶対に叶えない。靴紐が頻繁に解ける呪いをかけてやるだろう。
コロナの影響もあり、「柄杓で水をすくって清めるアレ」や「でっかい紐についたでっかい鈴を鳴らすアレ」も禁止になっていた。まずい。これでは神の効力が半減してしまうかもしれない。心配になった私は、賽銭を若干多く入れた。少なくとも「ご縁があるように五円玉だ私は」などと言っていた隣の母よりかは多くつぎ込んだはずだ。
お金が多い方が、きっと効力も大きい。……私は初詣をパチンコのように捉えているのだなと、ここまで書いて気がついた。
二礼二拍手を行儀よく行い、願いを訴えかける。
私は早々に一礼をして締め、隣のおみくじ売り場へと向かった。母はまだ目を閉じて願っている。五円玉でそこまで願えるものなのか。ならもう少し願っとけば良かった。
おみくじを買い、学業のお守りも買った。500円でその年の成績が保証されると考えると、とんでもないビジネスである。
書いていてバチが当たるような気がしてきた。お守りってそういうのじゃないですよね。欲にまみれた現世の人間は醜いですよね。許してください神様。
さっそくお守りを開封しよう。
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生まれて初めて大吉が出た。私は今年一年「大吉」の男なのだ。私が「うひょひょ」と喜んでいると、おみくじをかっていない母は「私はツイてるから毎日大吉」とさぞ満足そうに言っていた。いいなぁ、個人のさじ加減で運勢を決められるその能力。息子の私も是非習得したいものだ。
とりあえず、勉強は謙虚に頑張っていきます。