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受験エッセイ『付箋まみれの日々』 6.「とある受験生の日記」

文章を書くことが好きになったのは、中学2年生の頃だ。

「生活の記録」という、その日あった出来事を5行くらい書いて翌朝に担任の先生へ提出するノートがあった。

自分の書いた文章に、毎日必ず先生が赤ペンでコメントを書いてくれる。つまり、毎日絶対に読んでくれる読者がいるということで、今思い返してみれば、とても贅沢なやりとりだった。

ある日、自分の文章を先生から褒められた。

「上手いな」

そこから、「文章を書く」という行為に愛着を持ち始めた。


高校に入ると、当然ながら「生活の記録」システムは消えた。毎日の勉強にクタクタになり、毎朝電車で単語帳を読んでいると、あっという間に高2の冬。「受験生0学期」を迎えていた。

4月に誕生日がある私は、この時17才。「17才の高校生」なんて、字面だけでもキラキラして素敵なのだが、素敵なのは本当に字面だけで、「忙しかった」という印象以外は何も残らなかった。

「何も残らなかった」というより、「何も覚えていなかった」である。目の前のことばかりに囚われて、いざ振り返ってみると、真っ白だった。

そして、思春期真っ盛り。精神的にも不安定で、たくさんの悩み事が泡のように現れては、消えていく。この期間を通じて、人は見違えるほど大人になっていく。

「この二度とない貴重な期間に、自分は何も残さないで大人になってしまうのか」

「今の自分が考えていることを、未来の自分はあっさりと忘れてしまうのか」

「なら、今の自分はなんのために生きているんだ」

また悩みが生まれる。いったいどうすればいいのか。

無事思い出したのが、「生活の記録」の存在である。毎日、自分が考えたことを記録する。「日記」をつければ良いのだ。これなら、未来の自分は今の自分を忘れないでいてくれるだろう。

ただ、残念なことに私は「飽き性」だった。「なんでだー!!」とツッコミを入れたくなってしまうが、私は基本的にはめんどくさがり屋なのだ。一気にクソガキ感が増す。

日記でノート1冊を埋めた経験もなく、途中でサボって結局やめてしまったことが何度もあり、夏休みの1行日記も最終日に全部埋めていた。

そのため日記を始めたら「日記を続けることすら出来ないバカ」という肩書きに正面からぶち当たる可能性があり、かえって落ち込んでしまいそうだったため、なかなか第一歩を踏み出せずにいた。

そうしているうちに冬休みとなり、年は明けた。冬休み明けテストに向けて大量の課題があった。初日に立てた学習計画は呆気なく破綻し、結局「学習計画を守れないバカ」という肩書きに直面した。自分自身に失望し、1年後の大学受験が不安でならなかった。

学校が始まる2日前になり、いよいよパニック状態に陥った。勉強がなおさら手につかなくなり、常にYouTubeで誰かの声を聴いていないと心臓が押しつぶされそうだった。

夜、ベッドに潜っても眠れない。勉強をロクにしてないくせに、焦燥感だけは一丁前にある。どうしようどうしよう。落ち着かないといけない。気持ちを整理して、スッキリしたい。


こうして、noteで日記をつけ始めた。


タイトルは、「とある受験生の日記」にした。


自分の日記を誰かに読んでもらおうとするなんて少々傲慢ではないのか、とも思ったが、他にも日記をつけている人はたくさんいたので安心した。

はじめまして。とある受験生の大越(おおごえ)です。

とある受験生の日記 2021/1/5

・思いつきで始めたこの日記ではあるが、一応毎日続けていく予定である。始めた理由としては、「勉強に追い回される毎日に耐えるため」というのが大きい。

・こうやって毎日日記を発信すれば、勉強中にあった辛い出来事は「日記に書くネタ」となり、私の先の見えない日々が報われていく気がする。

とある受験生の日記 2021/1/5

効果は確かにあった。投稿をした後、気分は和らいでいた。

翌朝確認してみると、「スキ」をつけて下さった方がいて滅茶苦茶うれしかった。

次の日も書いた。

如何せん将来の不安は大きい。こんな調子で、自分はどうなってしまうのか。テストの対策もロクに出来ていない気がするのに、受験などに太刀打ちできるのだろうか。そんな事を考えて、風呂に浸かりながらついつい涙をこぼしてしまった。鼻水も湯船に投下した。この残り湯で一家の洗濯物を洗うのだと思うと、申し訳ない気分になった。私は自分の鼻水だから別に気にしないけれど。

とある受験生の日記 2021/1/6

その次の日も。

今日はいよいよ冬休みが終わり、学校が始まった。冬休み明け実力テスト1日目であり、教科は「国語、数学、英語」だった。電車の中で古典のワークを復習しようとしたが、久しぶりの早起きだったため、やはり途中でうとうとしてしまった。目の前に座っていた友達と、その友達の友達に私の情けない姿を見られてしまったことが何とも残念だ。

とある受験生の日記 2021/1/7

自分が感じたこと。放っておけば忘れてしまう、人生を生きている些細な感想。この露のような感想が、noteを通じてどこかの誰かに伝わるのかもしれない。

そう思うと、さっさと過ぎてしまう毎日を丁寧に生きてみようと思えた。朝、電車を降りて駐輪場へと向かう人混みの中を、もっと胸を張って歩こうと思えた。休み時間に「スキ」の通知を見ると、嫌なことが忘れられた。

今日はいざ初詣へ。去年は面倒くさがっていたような気がするが、来年に受験を控えた今年は気の持ちようが違う。何としてでも受験合格を祈ってやるのだと、意気込みは十分だ。鳥居なんか睨みつけてやった。私が神様だったら、こんな奴の願いなど絶対に叶えない。靴紐が頻繁に解ける呪いをかけてやるだろう。

とある受験生の日記 2021/1/10

私は勉強中に睡魔がやってくると、戦わずして素直に従う人間だ。ブラックコーヒーを飲んだり顔を洗ったりすれば幾分眠気は去るのだろうが、そういったことができない。私の中の悪魔が
「いいよいいよ! さっさと寝てやろうぜ!」
とそそのかし、私の中の天使が
「体調が1番大事ですわ! さっさと寝てやりましょう!」
と主張する。こうなったらもう為す術なくおやすみなさいである。

とある受験生の日記 2021/1/12

「仮眠失敗エピソード」は、もはやお決まりとなった。

こんばんは。先日痔が爆発した大越(おおごえ)です。

とある受験生の日記 2021/1/13

痔が爆発したらしい。かわいそうに。

大学入試共通テストから2日ほど経ち、先生方は授業が始まる前にかならずといっていいほどその話をした。話を聞く度に、「次は自分だ」という脅迫じみた一言が押し寄せてくる。合格のためにはどのくらいの点数が必要か、シビアな現状を聞く度に恐ろしい。

とある受験生の日記 2021/1/19

2022年の共通テストでは数IAがひどく難化することを、彼はまだ知る由もない。

・僕は何者かをずっと肩車していて、年がら年中そいつに「どうっどうっ」と鞭で打たれている気がします。なかなか滑稽な絵面。
・色々書きましたが、やると決めたからには頑張ります。

こうやってまた鞭を打っています。バーカ!

とある受験生の日記 2021/1/30

精神的に不安定な時は、一気に長文になった。分かりやすい人間だ。上の日記は、探求活動の合同報告会で学校代表者挨拶を英語で行うことを場に流されて引き受けてしまったことへの後悔を綴ったものである。大変だったなぁ。


2月になった。

大越ですー。
今日は学校を休みました……。
理由は、土日に休みがなくてしんどくなったからです。このまま来週を迎えたら、体力的にもまいってしまいそうで。風邪ひいて数日休んでしまうよりは、今休んでしまったほうが良いだろうと。

とある受験生の日記 2021/2/1

仮病で学校を休むことが時々あった。2月が始まって早々に、私は学校をサボってしまった。「不登校の生徒」になるのは案外簡単そうで、自分自身が信用できなくて、怖かった。

また寝落ちです。
ちっくしょー

とある受験生の日記 2021/2/3

この日の日記はこの2行だけ。朝、電車を待つ駅のホームでこの2行を書いた覚えがある。

こんばんは大越です。
いよいよ明日がテストです。あ、受験じゃなくて定期考査なんですけどね。
とりあえず、化学の応用問題は解き終える事ができました。思ったよりも時間がかからずにいけましたね。そしてノートの見直しや、間違えた問題の解き直しも出来ました。今までで1番対策が出来ています。
ただ、油断大敵!
英語も音読が出来ましたし、現代文も単語の確認が出来ました。ただ、本文がかなり心配なんですけどね…。
短いですが、もう寝ます。おやすみなさい。

とある受験生の日記 2021/2/11

基本的には、こういった勉強の記録を書いた。朝の電車の中で昨日の日記を書くことが多かったため、結果として丁寧に毎日を振り返ることは出来なかった。だけれど、勉強の記録が日に日に溜まっていく光景は、自分の努力が可視化されているようで、見ていて頼もしかった。

そして実は大変なことに、今週末は模試があるのです。そして来週には研究発表会があるのです。
もうイヤ! これ以上いじめないで!!

とある受験生の日記 2021/2/18

この頃は、「模試 + 部活の研究発表会」という風な忙しいスケジュールが続いていたようだ。学校側もヒドイことするよなぁ…とつくづく思う。

物理のクラス平均点が79点を超えるという恐ろしい事態が起こりました。我がクラスにバブル到来の兆しです。そんな中、僕の点数は惜しくも77点……。結構自信があったテストなだけに、悔しかったです。点数を確認した後しばらくは先生の話が全く入ってきませんでした。

とある受験生の日記 2021/2/24

今日はあまり勉強が出来ませんでした…。もっとメリハリをつけて生きていけるようにしたいですね。

とある受験生の日記 2021/2/28


そして3月。

2月ってめちゃくちゃ短いんですね。てっきり2月31日ぐらいまで用意してくれてるのかと勘違いしていました。

とある受験生の日記 2021/3/1

人と比べてばかりの性格です。日常生活の中で、どうしても「優劣」という邪魔な物差しが現れます。だから、人の成功を素直に祝福することができません。物体に光が当たればその後ろに影が生まれます。僕は、周りの誰かが輝いた時に自分の背後に生まれる長い影を、気にせずにはいられない性格なのです。

とある受験生の日記 2021/3/4

ここ数日間は、過ごしていてあまり充実感を感じません。チンたら勉強をしていたら、1日って本当にあっという間に過ぎてしまいます。達成感も特に感じられないまま、モヤモヤしたままベッドにもぐる夜です。

とある受験生の日記 2021/3/7

この前やった模試の結果が返却されました。恐る恐る冊子を開きましたが、結果はそこまで悪くなかったです。少なくとも、自分が予想していたものよりもずっと良い結果でした。

とある受験生の日記 2021/3/17

生まれて初めて、花粉症で熱を出しました。

とある受験生の日記 2021/3/29


4月。

あ、志望校の赤本解いてねえや。春休み中にやっておいた方が良いって言われてたのに。今思い出した。
………。
頑張りマース。

とある受験生の日記 2021/4/4

計算ミスなんてした時にゃもう、心の底から凹みきってしまいます。ケアレスミスを発見した瞬間、恐らく僕の体重は20gくらい減っているはずです。やる気と希望が毛穴から吹き出ているが故の減量です。誰か計測してくれないかな。
チョベリバ。
そんなこんなで、明日は始業式です。

とある受験生の日記 2021/4/7

今日からぼちぼちと各教科の授業が始まっていきました。驚いたのは数学です。教科書の内容は随分と前に終わり、今は演習問題を解き続けるという完全に入試対策に特化したスタイルで行っているのですが、これがめちゃくちゃつらい。

とある受験生の日記 2021/4/13

この完全演習形式の数学の授業は、常に悩みの種になっていた。毎日予習を間に合わせるのがギリギリで、学校をサボろうかと思ってしまうきっかけにもなった。

今思えば、この頃から日常的に焦っていたおかげで本番に慌てることなく済んだのだと思う。

もう!計算ミスしっぱなし!もうやらん。寝る。

とある受験生の日記 2021/4/17

なんと、この日は私の誕生日でございました。いよいよ僕も18歳。「成人」でございます。でも、酒は飲めないっぽいですね。非常に残念です。
将来は、お酒を嗜むオトナになってみたいものです。行きつけの居酒屋なんつう所があって、朝まで呑みたいです。

とある受験生の日記 2021/4/19

今はこんなどーしようも無い感じですけど、明日の僕は寝癖を直してちゃーんと学校に行っているのでしょう。ちょっとさみしいですね。さようなら。

とある受験生の日記 2021/4/25


あっという間に5月。

連休の終わりが近づく頃、僕はいつも精神が不安定になります。学校行くのが嫌だっていう訳でも無くて、「自分は連休中何も出来なかったのではないか」、「自分はなんて甘い人間なんだ」というような思いが頭を占拠し、パニックになる訳です。

とある受験生の日記 2021/5/4

ちなみに、仮眠中に見た夢は、「やっていなかった数学の宿題プリントを、先生に叱られながら探す」といった内容でした。大地獄でした。

とある受験生の日記 2021/5/6

ここ数日、思うことがあるのです。
それは、「平安時代の貴族になりたい!」ということです。あからさまな現実逃避ですねへへへ。
無論、女性がいいな。死ぬまでに着たい、十二単。管弦を習って、笑う時は口を扇子で隠すのです。くぅ〜。憧れますね。

とある受験生の日記 2021/5/9

そして、恐ろしい魔物も久しぶりに到来しました。仮眠という名の怪物です。時刻は午後4時。午前中に張り切って勉強が出来た僕は、なんか頭が重かったので10分間寝ようとベッドに横になりました。
そしたら6時間寝てました。これは最高記録かと。おめでとう!

とある受験生の日記 2021/5/15

月曜日です。学校を休みました。仮病です。朝、学校へ行く準備をしている時、思わず涙が出てしまったのです。自分でもビックリでした。体が思うように動かず、呼吸も荒くなり、頭の中が洗濯機みたいにグルグル回って、結果休んでしまいました。

とある受験生の日記 2021/5/31

6月になった。

この頃から少しづつ、私のサボり癖が頭角を表していく。1つのnoteで3日分の日記をまとめて書く、という事がザラにあった。それでも、1月からここまで毎日続けてきたことは自分としては珍しい記録だった。

そのため、僕と友人は決心しました。
歩いて、駅へ行こう。
雨の中、40分ほど歩き続けました。
いい運動になりました。
帰ってカバンを開けてみると、中に入った教科書が全て雨に濡れていました。危うくグレそうでした。

とある受験生の日記 2021/6/4

おはようございます、大越です。先週の金曜日から更新を止めてしまいましたが、何食わぬ顔で日記を書いていきます。

とある受験生の日記 2021/6/14

恥ずかしながら帰ってまいりましたぁ! 大越です。
いやあ、長らく更新を絶ってしまって申し訳ありません。僕は何とか生きています。noteに顔を出していない間も、細々と受験生を続けてまいりました。

とある受験生の日記 2021/7/22

ついに1ヶ月以上サボりやがったぞコイツ。もう夏じゃねえか。この日から、#まいにち日記部 というタグが地味に消えている。セコいぞ。

「高3の夏に悩むなや!」と、思わず自分でも呆れてしまいます。ただ、今までの人生で一番、「進路」を真剣に考えた一か月でした。
今、僕の進路には大きく二つの選択肢があります。片方は、レベルの高い大学を目指すこと。もう片方は、少しレベルが劣るけども、自分がやりたい分野の勉強ができそうな大学へ進むこと。

とある受験生の日記 2021/7/23

大越よ。お前は結局、後者を選ぶ。レベルが劣るとか言っているけど、実際に入試を受けてみると、結構ギリギリだったような気がするぞ……!

8月。

高校3年の8月。もう、まさに「青春100%搾りたて!!」という雰囲気をこの文字列からは感じるのだが、実際はそんなことはない。毎日学校へ行って勉強をする、暑苦しい夏である。

あああ! もう八月になってしまいました。月日が経つのは早すぎる。まさに諸行無常。

とある受験生の日記 2021/8/1

受験生たる故、へばってられません。希望する大学に行って好きな事を学ぶのです。洋画とか見て教養身につけちゃうもんねー。

それでは。

とある受験生の日記 2021/8/7

この投稿をしてから、大越のヤロウはnoteに姿を現さなくなる。ただのモチベ切れである。情けない。

noteをサボっている間に、夏休みが終わり、学校はいよいよ受験モード全開となった。

忙しい毎日を送るうちに、「自分が考えたことを記録しなければ」という義務感も薄れ、ウダウダ言ってねぇで勉強しろやという状況になった。朝、ふと電車の車窓を眺めた時に

「そういや、前まではこのタイミングでnote書いてたんだよなぁ……」

と思い出すことはあっても、もう再開するタイミングを完全に逃しているからなぁ、と言い訳をして単語帳を開いた。

再開するのは、2021年12月18日。

再開したきっかけは、自分が受験当日まで頑張れるかどうか不安になったから。歴史は繰り返すっ! あと、

「これもう『日記』ではないよねぇ……」

と思ったので「とある受験生の日記」というタイトルはつけないようにした。でも自分はまだまだ受験生であったので、マガジンには以前のように追加していた。

再開してみると、明らかに自分の中で何かが変わった。体のずっと底にある「熱」というか「自信」というか、そういうものが生まれた。

それに、折角はじめた日記を中途半端にしたまま合格報告だけするのはなんか微妙だし、続けないと黒歴史行きになってしまいそうだったので、再開できた時は心底ホッとした。

ここからは、不定期に更新するようになった。それだけでも、日々の調子は良くなった。

自分がまだ文章を書くことが好きでいることに安心した。

ここ数ヶ月の間はずっと、家での勉強が出来なかったんです。学校で気力と体力を使い果たし、家ではもぬけの殻のようにぐったりする日々が続きました。休みの日になっても、なーんかやる気の起きない日々。生活に張りがなく、何かの糸が切れた様でした。

そんな状況なのだから、当然焦ります。だって共通テストまで1ヶ月もないじゃーん!ヒエエエ!

「久々に〜」(2021/12/21)

今週頑張れないと一生後悔する!!

「今週」(2021/12/24)

そして、2022年が終わる。

今年一年を一言で表現しますと、
「昇降」
です。

(中略)

正直、あんま楽しくない一年でした!

「今年の振り返りと、来年へ向けて」(2021/12/31)

ついに共通テストが来る。

ねばってみます。この2週間は、めちゃくちゃ大事だ。

「あと2週間っ!」(2022/1/4)

「あわてるな」
この言葉を肝に命じます。
まだまだ粘ります!

「あと3日! あわてるな。」(2022/1/12)

緊張で手汗びちょびちょなんですけれど、不安な自分は決して否定しません。不安と上手く付き合っていきたいと思います。

「共通テスト前日!」(2022/1/14)

そして共通テスト当日。

こんばんは、大越です。タイトルの通り共通テストの一日目の日程を無事に終え、現在ホテルのベッドの上にいます。

「共通テスト1日目が終わりました。」(2022/1/15)

学校で自己採点をしなくてはいけないのです。

……。

怖ぇええええええええええ!

マジ、生きた心地がしねぇ! ずっと夢見てるみたいだもんこの2日間!!

「共通テストが終わりました。」(2022/1/17)

とりあえず、無事です。第一志望の大学に、順調に出願できそうな予感はします。

「恐怖! 自己採点の巻」(2022/1/17)

間髪入れず2次試験がやってくる。

第1志望の学部の倍率が発表されました。どうやら5倍近くあるようで、全然油断出来ない状況です。例年より多い。みんなどーしてこっち来ちゃったのよ、と文句をたれつつ、今は勉強するしかありません。

「キンチョーしてきた」(2022/2/9)

今日はふとした思い付きで、「英単語を覚えきるまで風呂から上がれないチャレンジ」を決行しました。

「時間がねぇ」(2022/2/13)

いよいよこの日がやってきました。2次試験前日です。新幹線はめちゃくちゃ速くて、あっというまにホテルへ着いてしまいました。僕は今、ホテルのベッドの上です。

「明日は2次試験です」(2022/2/24)




結果が分かるまでの約1週間は、とりあえず後期試験に向けて勉強しなくちゃいけません。たぶん、この期間が1番辛いと思います。まじで、自分自身との戦いです。卒業式を終えてもなお、課外のために学校に行く日々……。まぁ、高校の友達と話すことが出来る大切な時間と捉えて、頑張っていきたいです。

「2次試験を受けてきました!」(2022/2/26)

こう書いたものの、実際は後期試験に向けた課外などはなく、卒業式を終えたらそのまま友人たちとは会わなくなった。

後期試験に向けた勉強はせず、ずっとやりたかった世界史とプログラミングの勉強をした。「勉強しといた方がいいのでは……」とはもちろん思ったが、全然集中できず、これなら自分の好きなことを思いっきりやった方が後悔しないと思った。

「勉強をしなければいけない」という状況が消滅し、私は一瞬で膨大な時間を手に入れた。映画を4本観て、朝起きる時間も遅くなった。

つい最近まで、毎日「しんどい」と嘆きながら学校に行っていたのが嘘のようだった。日々はすごくシンプルになり、ネガティブな自分の存在感が薄くなった。

そして合格発表。


合格だった。

受験が終わった。


「とある受験生」という肩書きが、消えた。


合格した日から今まで、この「とある受験生の日記」を振り返り、完全な終止符を打つ機会を作らずにいた。今回やっと、これができる。

まず何より、この日記を読んでくれた方々。本当にありがとうございました。たくさんの人が読んでくれた訳ではないけれど、そんなことは関係なくて、とても励みになりました。「スキ」を頂いた時の嬉しさと高揚感は一年間ずっと変わらなくて、劣等感に苛まれていた私を何度も救って頂きました。本当にありがとうございます。

これからも、noteは続けていきます。お時間ができたら、また読んでいただけると嬉しいです。

この日記に何度も助けられた。

移り変わりが激しい自分の心情を記録することで気づいた、人間の多面性。自分の内側にはまた何人もの「自分」がいて、様々な「自分」と助け合って生きていて、これからもそうして生きていくことを学んだ。

日記を始めたての時、いつものようにネガティブに陥った時にこんなことを書いた。

この悪循環は、いつまで続くのだろうか。今すぐ机の引き出しから未来の私が出てきて、

「大丈夫だよ。未来のお前は上手くやれてるよ」

と私の背中を叩いてくれたら、もっと頑張れそうな気がする。

とある受験生の日記 2021/1/7

将来が不安な自分は、「未来の自分がやって来てその無事を伝える」という妄想を良くした。悲しくなる妄想であるが、辛い時はいつもだった。未来の自分が笑って、今の自分の肩を叩いてくれたら、どんな辛いことがあっても乗り越えられるだろう。そう信じて疑わなかった。

「未来」とまではいかないけれど、この文章を書いている私は「無事に大学に合格できた私」である。

そんな私から「受験生の私」へ一言送って、このnoteを閉じさせて頂く。


「お疲れさま。 書いてくれてありがとね。」




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