君に、届け。

『君に届け』は『別冊マーガレット』に連載されていた漫画です。

私が高校生の頃、連載が開始されて10巻くらいまで集めて、途中から読まなくなり、3年前に最終回を迎えたことは知っていたけど、そのまま読まずに過ごしてきました。

今でも恋愛漫画は読むし、大好きなのだけれど、高校生が主人公の漫画は読む機会が減りました。

この先も、『君に届け』を読むことはないと思っていたのですが、最近、この実写映画を目にする機会が多くて、そういえば、読んでなかったな、とまた1巻から読み直すことにしました。

私は、基本的に恋愛漫画って、主人公が好きな相手と結ばれて恋人同士になったら、そこで最終回を迎えたのでいいのではないかと思ってます。

結ばれた後、というのは番外編で少し2人のデートの様子などを見れたらよくて、その後の展開に関してはあまり読みたくないというか、漫画にして面白いのかな？その後は読者の想像でいいのじゃないのかな？と。

実際の恋愛でも出会ってから付き合うまでの時ってすごくたのしくてドキドキしますよね。付き合ってからも楽しいことはたくさんあるけど、付き合うまでの感じはやっぱり、"付き合う前"にしか体験出来ないすごく特別なものだと思うんです。

漫画はフィクションだから、特にそう思っている節があるのかもしれません。

現実は楽しいことばかりじゃないから、漫画くらい、夢を見させてほしい…

『君に届け』に関しても、連載中、思っていました。

だから読まなくなったのかもしれません。

ただ、今回最後まで読んで、この漫画は恋愛要素もあって、もちろんそこがメインではあるのだけれど、1人の女の子の高校生活3年間の物語なのだと気づきました。

高校に入学してから、卒業まで。

3年の間にある、恋愛、学校行事、人間関係、進路、子供から大人になっていく過程で、人生の中でも本当に貴重な3年間、いろんな思いを抱いて、いろんなことを考える高校生活の中で登場人物それぞれが、それぞれの思いで成長していきます。

特に登場人物が最後の高校生活を送る1年間は進路、将来、それに対する気持ちや決意、たくさんの思いが溢れていて、30歳を超えた現在でも考えさせられることがたくさんありました。

相手のことを想うからこそ、言えないこと、素直になれないこと、後悔すること、失敗すること、それを乗り越えること。

それは高校生だから起きることではなく、大人になってからももちろん起きることであって、自分で受け止めて解決していかなくてはいけないことです。

生きていく中で乗り越えていかないといけないことは本当にたくさんあって、どんなに辛くても向き合わないといけない時がどうしても訪れます。

正しい答えが必ずあるわけではないけれど、自分にとって納得できる答えを導き出せるように出来るといい。

その為に学んで、経験して、考えて。

なんだか涙腺緩みすぎて、泣きながら読み終わりました。

少し真面目に書いたけど、始めはこんな風に書くつもりじゃなくて、漫画の中に出てきた携帯電話がガラケーで、各所にプリント写真を見せ合ったり配ったりする場面があって、その事を書こうと思ってたんです。

ああ、私も高校生の頃ってまだガラケーで、写真機能がついてたり、ついてなかったりの頃で、写ルンですを常に持ってて、写真を焼き増ししたり、学校行事の時に校内販売される写真の中から好きな人の写真をこっそり買ったりしたな。

今では考えられない程の粗い画像の写メ。

画素数を考えながら選ぶガラケー。

現像するまでどういう風に写っているかわからない使い捨てカメラ。

たった1枚の大切な写真や、友達から授業中にまわってくる小さい手紙。

遊びに行く度に撮ったプリクラ。

好きな人と話すことが出来た時の胸の高鳴りや喜び。

もっともっとある。

年齢を重ねるにつれて、ぼやけてきたときめきや、新鮮な気持ちを忘れていく毎日だけど。

今も楽しいことはたくさんあるし、初めて味わうこともあるけれど、感覚は違う気がします。

そんなことを思い出して、書こうと思ってました。

書き始めると思ってた事と違う文章になってしまって、あれ？となったのですが。

あと、恋愛漫画なので、キスシーンもいくつか出てくるのですが、それがいいの！とてつもなくいい！本当に愛しさと切なさと、心強さはあるようなないような、とにかくいいです。

そして、意外といつもテキトーな担任の先生がすごくいい先生なんだよな、皆が受験生になった時、頑張ってる時に彼は本領発揮するのだよ…私は彼を1番推してる。

主人公の女の子もすごく素敵で、だから周りにも素敵な友達が集まるんだな。

たくさんのことを想い、たくさんのことを思い出した『君に届け』。

彼女たちのいた時間が大切なことを教えてくれます。

今現在、高校生の方はもちろんですが、年齢関係なく、是非読んでほしい漫画です。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。