Connexion by Pubcare
人の生涯はつながりの中にあり、医療と介護の一丁目一番地は連携です。この連携の重要性は、コンピューターネットワークの例にも見られます。アメリカの国防総省から始まったコンピューターネットワークは、プラットフォームのネットワーク効果によって指数関数的に成長し、無限増殖機構として多くのステークホルダーにインセンティブを提供しています。これは人々がつながりを求める証拠であり、つながりの重要性をさらに強調しています。
35歳でクリニックを開業し、外来診療と在宅医療を始めたところ、急速に患者数が増え、一人では対応できない状況になり、複数の医師を雇うことになりました。当時はクラウド型の電子カルテもなく、毎日睡眠時間2、3時間で夜間の往診や膨大な書類の処理に追われました。そこで、さらに数週間だけ睡眠時間を削りデータベース管理システムで院内のコンピューターで情報を共同編集し、帳票を共有できるシステムを構築しました。この取り組みの目的は、ただ一つ、生産性の向上でした。
飲食店などの小規模なビジネスでもDXが進み、タブレットで注文から会計まで完結し、購買データも把握できる中、医療や介護業界は患者情報の収集整理に膨大な時間を費やし、多職種への情報共有や指示報告等のため、多数の書類を作成しています。しかし、最新の患者サマリーを共有プラットフォームで共有することで、保健から医療や介護領域までのヘルスケア領域において利便性や生産性が劇的に向上し、技術進歩による付加価値が期待されます。医療業界はデジタル技術を活用する発想が遅れていますが、これらは一気通貫であることが大前提です。その利便性を体感すれば必要不可欠なものとなるでしょう。プラットフォームは生産性の向上だけでなく、さらなる付加価値も創造できます。正の循環であるネットワーク効果です。
多くのプラットフォーマーは必要なアイディアを先に実現し、結果を後から追求する考え方を取ります。彼等には必要なものが見えているからです。我々の成功体験を日本中にひろめたい。その想いが事業化の始まりでした。診療報酬の改定などでDXに対する不安や抵抗感が薄れつつあり、保健点数での誘導の動きもあります。ブレークスルーポイントから大きなエクスパンションが訪れる可能性があります。この際、デファクトスタンダードが確立されるでしょう。現在、この大きな事業領域を担うプラットフォーマーが不在であることは、今後二度とない大変に大きなチャンスだと言えます。
Grow or die
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