インクリメントから見えたスプリント開発の課題
はじめに
Voicyのバックエンドエンジニアをしています、どらごんこと勝山です。
現在は主にVoicyアプリのリスナー向けの機能を開発しています。
今回はBEエンジニアがお送りする「Featureチームのアジャイル開発の軌跡」ということで、いままで機能開発チームが歩んできたアジャイル開発の手法の変遷を連載でご紹介していこうと思います。ちなみにFeatureチームとは、機能開発をするチームのことです。
この記事で伝えたいこと
以前チームでスクラムガイドの輪読会をした時に、インクリメントについての議論があり、考えていくとプロダクトゴールにまで話がつながりました。
スクラムをボトムアップで理解するよいきっかけになったので、
そこで考えたこと、学びになったことを書いていこうと思います。
チーム構成
まずは僕が所属しているListenerチームのチーム構成を簡単に紹介します。
FeatureチームはListenerチームとPersonalityチームの2チームにわかれており、僕が所属しているListenerチームは聴くユーザー側の機能開発を担っています。
現在Listenerチームは6人構成で以下のようになっています。
フロントエンジニア 2名(Androidエンジニア、iOSエンジニア)
バックエンドエンジニア 2名(Goエンジニア)
PdM 1名
デザイナー 1名
アジャイル開発の運用について
Featureチームでは、どのチームもスクラム開発を採用しています。
スクラムイベントは以下のように行っています。
毎朝
デイリースクラム
月曜
プロダクトプランニング
木曜
リファインメント
金曜
スプリントレビュー
レトロスペクティブ
スプリントプランニング
スクラムの運用については以下のスクラムガイドを参考にしています。
スクラムガイド
ここからが本題です。
インクリメントについて考え出したきっかけ
インクリメントについて議論になったのは、チームで定期的に行っているスクラムガイド輪読会です。
新しくチームにメンバーが入った時や、何ヶ月か期間が空いた時にチームで定期的に開催しています。
スクラムガイドを見てもらえればわかるんですが、18ページほどでかなり短い内容です。
同じ内容を何度も読み直して学ぶことはあるのか?と思う人もいるかもしれませんが、面白いことに輪読会するごとに前とは違った学びがあることを実感しています。
2週間ほど前の輪読会で「インクリメント」ってなんだっけ?という話になりました。
インクリメントとは
インクリメントとは簡単に言うと、「開発したもの」と訳するとわかりやすいかもしれません。
スクラムではそのスプリントごとにインクリメントを作っていく必要があります。
つまりスプリントゴールに基づいた価値の高いインクリメントを作成する必要があります。
価値の高いインクリメントってなんだっけ?
インクリメントという単語はチームで知っていました。
しかし、スクラム中にインクリメントという単語が話し合いで出てこないよね、ということに気がつきました。
話にインクリメントが出てこないということは、価値の高いインクリメントを意識できていないのではないかと考えました。
その理由として2つ原因が考えられます。
課題①スプリントゴールが「開発すること」になっている
僕らのチームではスプリントゴールがプロダクトバックログの塊になってしまっています。
本来はスプリントゴールはTODOリストみたいなものではなくて、定性的な価値にするべきです。
参照:スプリントゴールって何?
現状では「価値の高いインクリメント」=「質の高い開発」になっています。
なので、今のスプリントでは実際に動くのかどうか、予期せぬバグがないかどうかの話しか生まれてないことに気がつきました。
課題②プロダクトゴールが曖昧
課題①でスプリントゴールがアンチパターンを踏んでいることを説明しましたが、その理由として、プロダクトゴールが曖昧なことも起因していると思っています。
現在、プロダクトゴールがあまり定まっていないというのが現状です。
そのせいでスプリントゴールもTODOリストのようになってしまっています。
プロダクトゴールを見直す
Listenerチームでは4Qの目標を自分達で考えられるようなチームにしていきたいと考えています。
現状この課題を解決した訳ではないので、解決に向けた動きについては次回どこかで書きたいと思っています。
なんのために開発をしているのか、Voicyというプロダクトをどうしていきたいのかをチーム全員で考えていきたいと思います。
結論
価値のあるインクリメントについて考えたところ、その上のスプリントゴール、さらに上のプロダクトゴールが曖昧なことに気がつきました。
課題をまだ解決した訳ではないですが、課題に気づけたことはチームとして成長した証だと考えています。
今後に向けてさらに知識をアップデートしながら、スクラムを回していきたいと思います!
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