10年越しに会ったら
10年越しに会った親戚の子は、もう私が知っているその子とはかなり変わっていた。
斎場でもお構いなしで大声で笑い、叫び、走り回るあの頃の少女はもういない。
そこにはスマホをいじり、学校の課題を片付ける中学生がいるだけだ。
良い子になったのか。
良いことなのになんだか寂しい。
代わりに他の子が増えていた。
あの子のお母さんの姉の子だろう。
私のことを不思議な顔で見ている。
大丈夫。誰かわからないのはお互い様だよ。
こんな時にしか会わない。
こんな時にしか会えない。
特に親戚と仲が良いわけでもないので数年に一度会うのも寂しくは無いが、何かとお世話になった分こんな悲しい場でしか会えないのはなんとなく申し訳ない気持ちになる。
天国に行った祖母はどうだろう。
父がこの世を去って10年。
早く迎えに来てほしい。
祖母は何度もつぶやいていた。
やっと迎えが来たのか。
10年ぶりに自分の息子に会うというのはどんな感覚だろう。
96年。私にとっては20年余り。
人の人生はあまりにも儚い。
今日もお読みいただきありがとうございます。
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それでは、皆さんの健康を祈って。
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