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#8『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』感想


今回ご紹介するのは、ブレイディみかこ先生の『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』という作品です。


*以下ネタバレを含みますのでご注意ください*


○あらすじ

小学校から打って変わって、人種も貧富も入り混じる元底辺中学校に通い始めた主人公のぼく。
世界の縮図のような学校で、優等生のぼくと母ちゃんがともに考え、ともに悩み、毎日を乗り越えていく、リアルな子どもの葛藤を描く物語。

○感想

この本はまた大学の後輩におすすめされて読んでみたものです。

素直に、

この本に出会えてよかった。読んでよかった。

と思いました。

本作は物語ベースではありますが、それぞれの章というかいくつかのまとまりの中でテーマとなるものがあり、それについて主人公である"ぼく"の考え方や生き方が表れています。

思う所は沢山あったので、この本を読んで思ったことは別の記事にたくさん書きました。気になるものがあったら読んでいただけると嬉しいです。

ここにはその目次と該当の記事をまとめて載せておきます。

【目次】

①   誰かの靴を履いてみること
② 【悪気は無くても】"ハーフ"と"ダブル"
③ 【教育】環境が子どもの人間性を形造る
④ 【子どものリアル】いじめの正当化
⑤   School Absence Fine(学校欠席罰金)
⑥   パートナーとの経済格差


①誰かの靴を履いてみること

エンパシーとシンパシーの違いから、"共感する"ということについて考えを述べています。

②【悪気は無くても】"ハーフ"と"ダブル"

"ハーフ"や"ダブル"。
私たちが悪気無く使っている言葉にも、相手にとっては差別的な発言と捉えられることもあるのです。

③【教育】環境が子どもの人間性を形造る

親は一番近くにいる大人です。その大人の考えは、いつしか良くも悪くも子どもたちに伝染していくものです。

④【子どものリアル】いじめの正当化

子どものリアルを除いてみましょう。
"子どもだから"と侮ってはいけません。
そこには、人間の心理を利用した冷酷な実態があり、知らず知らずのうちに周りも飲み込まれて行くのです。

⑤School Absence Fine(学校欠席罰金)

日本ではあまりこういう制度は聞きませんね。どうしてでしょう。それを考えることに、意義があります。

⑥パートナーとの経済格差

交際でも婚約でも同じです。パートナーのことを愛すのなら、万が一のことも考えてあげるべきです。経済的な差があるのは仕方ないのかもしれません。しかし、対策は出来るはず。


○最後に

この本の帯に書いてあるんですよ。

一生の課題図書

この言葉の意味は、読んだ後、それぞれの問題について深く考えるようになってから初めてわかるものなのでしょう。

この本を読んで、生きる土地が違うと、文化や価値観が異なるとこんなにも世界が違うのだと思い知らされました。

我々は井の中の蛙です。大海を知るのか否か。
それは我々の"エンパシー"にかかっています。

あなたは、エンパシーを持っていますか?


2021年には『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』も出ています。

また読んで感想載せますね。


○著者について

ブレイディみかこ(ぶれいでぃみかこ)

保育士・ライター・コラムニスト。
1965年福岡市生まれ。福岡県立修猷館高校卒。音楽好きが高じてアルバイトと渡英を繰り返し、1996年から英国ブライトン在住。ロンドンの日系企業で数年間勤務したのち英国で保育士資格を取得、「最底辺保育所」で働きながらライター活動を開始。2017年に新潮ドキュメント賞を受賞し、大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞候補となった『子どもたちの階級闘争-ブロークン・ブリテンの無料託児所から』(みすず書房)をはじめ、著書多数。




ここまで読んでいただきありがとうございました!

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それではまた!!

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