見出し画像

宿泊予約データから読み解く!2019年冬の人気訪日エリアは?週刊インバウンドニュースマガジン11月3週号

この記事は、株式会社MATCHAが毎週送付しているメールマガジン「週刊インバウンドニュースマガジン」の内容を転載したものであり、内容はメールマガジンが配信された時点のものです。メールマガジンの受信を希望される方は、こちらで登録を行ってください。その他のお問い合わせはこちらへ。

2019年冬の宿泊予約データを分析!国を問わず人気の北海道、中国以外で人気なのはあの都道府県……?

画像1

ホテル・旅館の宿泊予約アプリ「Relux(リラックス)」を運営する株式会社Loco Partnersが、「2019年 冬の旅行動向調査」を発表しました。

2019年12月1日〜2020年2月29日の予約データを分析したレポートで、訪日旅行者の宿泊傾向や、国内旅行者と訪日旅行者の違いを知ることができます。

発表では、国・エリアごとの人気観光地を紹介。北海道が中国・韓国などすべての国・エリアで上位5位に入っている点が特徴的です。

レポートの集計期間が冬期ということもあり、「雪」を目的に訪れる旅行者が多いものと推測されます。

画像2

全エリアで上位に入る北海道。国ごとに人気の観光地は違う

ちなみに、国内旅行者のランキング、上位5都道府県には北海道が入っていません。日本人はGWや夏に北海道へ訪れる方が多いため、訪日客が観光地の需要のバランスをとっているといえます。

また、国・地域別の人気エリアの違いにも注目です。中国のみ富士山を擁する静岡が2位につけており、反対に中国を除くエリアではすべてに大分県がランクインしている点が興味深いです。

一口に訪日客と言っても、国ごとに嗜好は様々。訪日客対応をするのであれば、まずは国ごとのターゲティングが肝要です。

台風被災地への補助金が創設!課題は発信方法か

画像3

令和元年台風第15号および第19号観光支援事業費補助金スキーム図 より

11月8日、観光庁は台風15号、19号の被災地域に対する補助金の創設を発表しました。

観光需要の喚起を目的とし、対象となる被災地域の1泊以上の旅行・宿泊商品に対し、1人泊あたり最大5,000円が支援されます。

詳細は対象となる各都県が決定し、商品を販売する旅行業者やOTAに対し補助を行うことになります。

対象となる地域は以下の通りです。
岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県、静岡県

なお、日本人旅行者と外国人旅行者では補助限度額に差があります(下記図参照)。

画像4

令和元年台風第 15 号及び第 19 号観光支援事業費補助金交付要綱 より

みなさんが海外のニュースを見るときと同様に、海外から日本の自然災害ニュースを見ると、実際以上にセンセーショナルで衝撃的に映ります。そのため日本国内で大きな自然災害が起きると、訪日旅行者の多くは旅行をキャンセルしてしまいます。

そういった意味で、こちらの補助事業は海外からの観光需要を支えるためにとても重要な意味を持つでしょう。

ただし、過去に同様の補助金が助成された際にも起きたように、補助金が出ても「それが海外の旅行者に知られない」という問題が起きる可能性は高いです。

補助金の活用と適切な旅行商品の設定・造成はもちろん大事ですが、それと同じくらい取り組みの認知拡大もポイントになるでしょう。

また旅行者が訪問を控える理由が「災害不安」であることを踏まえると、金銭的な補助はあくまでも間接的な問題解決手段でしかありません。

実際の被害状況と復旧状況を正しく伝え、安心感を持ってもらうことが一番の解決策であることには代わりはありません。
※そのためにもまずは一部の旅行者に来ていただき、彼らの口コミを活用する、という考え方もあります。

いずれにせよ、情報発信の成否が重要なポイントになるでしょう。

中部国際空港が中間決算発表。国際線の需要増で過去最高売上達成

画像5

11月15日、中部国際空港の2019年4~9月期の連結決算が発表されました。

中国を中心とする国際便の増加で、売上高は前年度比およそ+11%となっています。

営業利益が現役(-0.3%)になっていますが、これには今年9月に開業したLCC向け第2ターミナルの費用が影響しているため、問題視する必要はないでしょう。

一方で、売上増には中国からの航空便の増加が影響しており、韓国便の減少と相まって、中国の存在感が増している点が気になります。

画像6

中部国際空港では今年9月にLCC専用の新ターミナルを開業しており、今後もアジアを中心とする国々からの便が就航する予定。

来年以降も利用者数、売上などは増加することが見込まれると共に、就航する国際便の多様化も期待されます。

大阪で「道頓堀ナイトカルチャー創造協議会」が設立。ナイトエコノミーの成功事例を作れるか

画像7

大阪ではかねてより、訪日客が夜間に遊ばずホテルに帰ってしまう傾向にあることが課題とされていました。

そのため、昨年より様々な夜間イベントが企画されたり、訪日向けの夜間の観光情報サイトが開設されるなどの施策がとられてきています。

そしてこのほど、道頓堀商店会と大阪観光局、JTBなどが「道頓堀ナイトカルチャー創造協議会」の設立を発表。

ナイトエコノミーに関する観光コンテンツの開発や情報発信、交流拠点の整備などを実施していく予定です。

ナイトエコノミーに関しては、日本のインバウンドの課題であると数年前から叫ばれ続けており、各地域で様々な取り組みが為されてきました。

しかし、圧倒的に成功したと言える事例は少なく、ソリューションが一般化されているとも言えない状況です。そんな中で、大阪観光局がナイトエコノミーに本腰を入れたことが伝わる今回のニュースには非常に期待しています。

一口にナイトエコノミーと言っても、地域の観光資源によって実施できる内容は変わってきます。

都会であればバーホッピングなどの飲酒需要の喚起がすぐに思いつきますが、地方部では逆に早朝のコンテンツ(朝の魚市場、山上の雲海など)も地域への宿泊を促すためには有効でしょう。

MATCHAでは最近、大井競馬場のイルミネーションを取り上げましたが、夜景やイルミネーションのような既存の観光資源を、マネタイズできるよう仕組み変更するのも有効でしょう。

楽しんで学べるインバウンドクイズ!

画像8

インバウンドの知識は、わかっているようでいざ聞かれてみると意外と抜け落ちているもの。このコーナーでは毎週1問、インバウンド担当者ならぜひとも知っておきたいインバウンドの基本知識を出題します。

回答は翌週のマガジンでご紹介しますので、ぜひチャレンジしてみてください! 今週は欧米層を中心に多いビーガンについてです。

質問:ビーガンが口にしてもいい食べ物はどれ? (難易度★☆☆☆☆)

選択肢:
1.缶ビール
2.はちみつ
3.讃岐うどん
4.ステーキ

↓こちらに回答すると、他の人の回答割合がわかります!↓
http://www.benchmarkemail.com/Poll/Vote?g=8148&id=1073498&w=220

------------------------------先週の答え--------------------------------
さて、先週の答え合わせをしてみましょう!
「訪日タイ人がもっともたくさん訪れるのは、1年のうちいつ? (難易度★★☆☆☆)」
という問題に対し、答えは……

「1.桜の咲く4月」でした!!

タイは気候の関係で4月が1年を通してもっとも暑く、この時期に避暑を目的として海外旅行に行く人々が多いのです。もちろん日本の桜を目的にする方もたくさんいらっしゃいます。

反対に8月は日本のほうが暑い場合が多いため、訪日旅行者は落ち込みます。「ようやく暑さのピークが過ぎたのに、わざわざもっと暑い場所にいかなきゃ行けないの?」と思うわけです。

「1.桜の咲く4月」と答えた方はとても多く、読者のみなさんの知識の確かさが感じられました。「4.雪の降る1月」と答えた方も多かったのですが、ニアピンです! 雪の降らないタイでは、雪を目的に冬期に訪日する方もたくさんいらっしゃいます。

ただし4月には及ばないのと、冬に一番多いのは12月であることから「4.雪の降る1月」は誤りとなります。

ちなみに、回答状況は以下の通りでした!
1.桜の咲く4月:45%
2.バカンスシーズンの8月:4%
3.紅葉が色づく11月:6%
4.雪の降る1月:45%

あとがき

先週、嵐の二宮さんの結婚報道が日本だけでなく世界中を駆け巡りました。

MATCHA社内でも、日本人や外国人を問わずファンのメンバーからの祝福やうめき声がこだまし、改めて日本のソフトコンテンツの力強さを再認識した次第です。

MATCHAのような会社で働いていると、翻訳者さんやライターさんの中にも、芸能人やアニメ・漫画をきっかけに日本語を勉強し始めた、日本に来たという方がたくさんいらっしゃいます。

ただし、そういったソフトコンテンツが生まれたのは20年〜30年以上昔のこと。現在のインバウンドの盛り上がりの影には、過去の日本人の努力の積み重ねがあるのです。

現在わたしたちは2020年のオリンピックを目指して、インバウンド向けの施策を実行していますが、そろそろ2020年以降のインバウンド市場についても考える時期が来ています。

インバウンドを将来に渡って日本経済の柱にしていくためには、将来のコンテンツを造成していく動きも必要になってくるでしょう。

中長期的なインバウンド対策には外国人目線が欠かせません。どうすればよいかわからない、そんなときはぜひ私達MATCHAにも相談してみてください。

お問い合わせはこちら!

画像9


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?