【小ネタ】WEBデータで気づく訪日ニーズと日本のイメージ(検索ワード編)
おはようございます。インバウンド(訪日)メディアMATCHA(matcha-jp.com/jp/)で編集長をしている植松と言います。
僕たちMATCHAでは、大きく5つの方法で記事を作っています。
1.人
2.統計データ
3.自社サイト内データ
4.Web上のデータ(Google、FBなど)
5.思いつき
実際のデータを見ていると、自分たちの思い込みに気付かされることがよくあります。
そこで今回は、Web上のデータを探っているとよくある失敗と気づきについてお話します。
インバウンド関係者にとってはあるあるネタに近いかと思いますが、ぜひご笑覧ください。
なお、今回は英語圏の検索キーワードに限定してお話します。
※冒頭の写真は世界で一番有名な秋田犬、ハチ公の剥製。今は上野の国立科学博物館にいるんですが、知ってましたか?
1.観光キーワードだと思ったらそうじゃない
訪日客が一番たくさん訪れるのは春で、その多くは日本で桜を見に来ます。
当然多くの人が訪日前に桜の情報を調べるのだろうな、と想像がつきます。そこで僕達も桜のコンテンツを企画するにあたって、
「Sakuraって言葉の知名度も高そうだけど、Cherry Blossomって言葉とどっちが使われているんだろう」と思い調べてみることにしました。
すると、Sakuraのほうが多いんです。「へー!!」と驚いていたら、実はマンガ『NARUTO』に出てくるキャラクターの名前を調べている人がほとんどでした。
日本をイメージさせる言葉は、日本人キャラクターや日本関連のお店、商品に利用されがちなので、検索されている数が多くても、それが単純に観光ニーズに合致しているとは限りません。
あとは、「Ginza Teppanyaki」が銀座の鉄板焼き店を調べる際のキーワードではなく、オーストラリアにある鉄板焼き店の名前だったりとか。こういったことは本当によくあります。
なお、こちらは英語圏の話であって、別の国ではSakuraという言葉がよく使われていたりします。
2.意外なものに知名度、人気がある
都道府県ごとの知名度を知りたいと、全都道府県名の検索数を調べたことがありました。
東京、京都、大阪などは当然として、意外に多かったのが「Akita(秋田)」。秋田県ってなんで有名なんだろう、といろいろ調べたのですが、実は「秋田犬」のことでした。
ハチ公の物語をモデルにした映画『HACHI』が記憶に新しいですが、欧米では秋田犬の知名度はかなり高いのです。
ちなみにMATCHAでは、「それじゃあ旅行者向けのコンテンツにはつなげられにくいな」と思ったのですが、その後秋田県では、秋田犬ツーリズムという法人が立ち上がっています。
さすが、と思いつつ自分たちの短絡さ加減や諦めの早さを反省したエピソードとして記憶しています。
3.日本語名のほうが実は有名
日本の肉が海外で高く評価されているのは、一般的にも有名かと思います。僕自身、「牛肉料理を食べに日本に来ました」というタイ人に会ったことがあります。
そこで僕たちも「Japanese Beef」に関する情報をまとめようと思ったのですが、調べてみると意外に「Japanese Beef」と調べられていない。
既存のサイトや解説コンテンツもあまりありません。
試行錯誤を繰り返してみると、実は「Japanese Beef」よりも「Wagyu」と調べている人の方が多かったのです。単純に日本語を翻訳してコンテンツをリリースしてもいけないな、と学んだエピソードです。
地道な調査と定点観測
ネイティブであれば当然の知識なのかもしれませんが、日本人が訪日旅行者の思いやイメージを探る以上、このように地道な調査は欠かせません。なにより思い込みが厳禁です。
さらに言うと、定点観測も大事。
MATCHAはまだまだ出来上がってから間もない会社、メディアです。それでもその間にWeb上で検索されている日本系の言葉は内容も順位も変化しています。
Web上の検索データを調べていると、それだけでもインバウンドの状況やトレンドの変化がわかります。
インバウンドとは関係ないですが、アメリカ大統領戦のあとで「トランプ」という検索の結果が大きく変わったのは有名な話です。ニーズが変われば、表示される記事の種類も変わります。
いつまでも同じコンテンツを出していては取り残されてしまうのです。
今後もMATCHAではWebデータ含む様々な情報を元に、サイト・コンテンツ自体を更新していきます。日本人のみなさんも乞うご期待!
あなたの知見も教えてください
今日上げた内容は、だいぶ一例です。このような知見は別に秘密でもなんでもないと思うので、今後も少しずつ紹介したいと考えています。
インバウンド関係者の方がいらっしゃったら、ぜひご自身の経験で得た知識を教えてください。いずれは交流会、勉強会もしたいと思っています。興味のある方からのコメント、メッセージをお待ちしています。
それでは今日はここまで。ありがとうございました。
さよなら。
※試験的に、投げ銭制にしてみました。いただいたお金はオフィスに飾るお花に変わります。
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