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夫の限界

「出て行け」と言われた次男。
そう言われてどこかに行くと次男はいつも大変なことになるのだ。

私はすぐに保護司に連絡した。
遅い時間だったがすぐに来てくれた。
荒れた部屋を見ても落ち着いていた。

私はもう参っていた。
繰り返されるこういうバトルに消耗していた。
保護司に対し半泣きで
「夫にもう少し助言して欲しかった、荒れないように言って欲しかった」と八つ当たりをした。

保護司は、
「私はお母さんたちの保護司じゃないです。
次男君の保護司です。」と落ち着いて言った。

そしてわざと財布を置き次男を試すような行動をしたことをやんわり注意した。

本当は次男を諭すだけのつもりだったのに。
周りを巻き込みたくないのに。
誰にも借りをを作りたくないのに。
自分たちで解決したいのに。
私たちはいつもうまく出来なかった。

夫は
「もう無理です、もう一緒にいたくない、施設でもどこでもやってください、もうこんな生活は無理です。」と訴えた。

私は未成年の次男を追い出すことに抵抗があった。
私だけが反対していた。

後日保護観察所や保護司、市の方などと相談し、保護司の別宅に住まわせてもらうことになった。

夫と次男をを離した方がいいと皆が言い、私だけが不機嫌だった。
また息子と離れて暮らすことになった。
うちはどうしていつもこうなるのだろう。
次男は何度私たちから離れていくんだろう。

夫は今の社会に守られている次男を嫌がった。
好き放題やっても、子どもだから、未成年だから、反抗期だから、長い目で見てあげて。
もううんざりしていた。
試されるようなできごとに忍耐が続かなかった。

みんな苦しかった。
次男も自分の気持ちを話さなかった。


…私は夫を責めながらも夫なりに一生懸命やっていたことを知っていた。
ここでは荒れた日などを書いているが、何度も気持ちを切り替えて次男に接し、会話をしようと部屋へ行き、言いすぎたと謝り、次男の髪を切ってやり、やり直そうと努力していた日々がたくさんあったことを知っている。
次男が自分に似て生意気で腹が立つ。
でも可愛いと酔った時に言っていた。

#非行 #親子 #離れる #子育て #父 #離れて暮らす

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