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毎日、少し……

 毎日、少し死ぬ。少し泣く。少し死ぬ。ヘミングウェイの短編だと思ったのだけれど、思い出せない。泣きはしないけれど──、と思う、毎日少し死ぬのは皆同じことだ。そうやって生きている。生きるというのは難しい。肉体的に単に生存するだけなら、世界と折り合いを付けてやっていくだけでいい。ところがそうはいかない。ニンゲンというやつが、団体で間に関与する。ややこしい。
 面倒臭えな、とベッドに身体を放る。少し泣くのはニンゲンが挟まる所為かも知れない。ヘミングウェイが片田舎にすっこんだ理由はそれかな、と思ったりする。おれも面倒なニンゲンだけれど、面倒なニンゲンが束でかかって来られたのでは敵わない。民主主義万歳。少数派は黙りおろう。いつもそう。声なき声は潰されて、あーだから毎日少し泣く羽目になるのか。ヘミングウェイ、もしかしてそうなのか?
 でもやっぱりネット通販であれ、ニンゲンと関わらないと生きていけないこの世の無惨。此世は苦海です。ましてやおれのようなニンゲン嫌いにとっちゃ。amazarashiの言うようにニンゲン嫌われと言った方が正しい。誰も彼も離れていくのが常。孤独は友だ。離縁は縁だ。散々無くしていまもまた離れようとしていくのを黙って見ている。ヘミングウェイ、モヒートは飲めないけれど、泣くふりならしてもいいかな。


シキウタヨシ

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