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DMAの相互運用性がSNSにも適用拡大?!XからInstagramに投稿可能な世界が実現...?

欧州委員会で、ある入札が開始されるそうです。
CALL FOR TENDERS FOR A STUDY OF INTEROPERABILITY TOOLS IN THE DIGITAL SINGLE MARKET (europa.eu)

どういう内容かというと、DMAの「相互運用性」がSNSにも適用できるかどうかを調査する業務の入札ということです。

DMAは、第7条で、メッセージングサービスに相互運用性を義務付けています。相互運用性とは、異なるメッセージングサービス間で、メッセージを送り合うことができるというもので、巨大プラットフォーマーであるゲートキーパーに対して、他のメッセージングサービスが相互運用を希望すれば、ゲートキーパーは正当な理由が無ければ、拒めないというものです。
例えば、WhatsAppと他のメッセージサービスとの間で、互いにメッセージのやりとりができるというようなことです。

この相互運用性をSNSにも適用できるか、ということを欧州委員会は調査したいようです。
現状、SNSのゲートキーパーとして指定されているのは、Tiktok、Facebook、Instagram、LinkedInなので、例えば、Instagramに、X(Twitter)から投稿をすることができるというようなことですね。

この相互運用性は、もともとプライバシーやセキュリティの課題を指摘されていて、メッセージサービスでも本当に実現可能かということを指摘されていたものでした。
EUが決めた「メッセージアプリの相互運用」は、本当に実現できるのか | WIRED.jp

現状、メッセージサービスの方は、ゲートキーパーが、相互運用のための技術要件(Reference offer)を公開しているようですが、まだ相互運用性を希望するメッセージサービスが出現したという報道はありません。

それをSNSにも適用するかどうかを調査するようですが、まだメッセージサービスでも実現していないのに、ちょっと気が早いように思います。

しかし、SNSのゲートキーパーに対して、未成年者に対する悪影響への対策が不十分であるという批判があることを考えれば、これは当局からの「お前らがちゃんとユーザーを保護しないと、相互運用性を義務付けて、他者サービスに乗り換えやすくするぞ」というメッセージなのかもしれません。

(これはアメリカのニュースですが)
SNS大手5社のCEOが証言、被害者家族に謝罪も 米議会公聴会(1/3) - CNN.co.jp

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