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二〇一九年イースター祭『エッグGang』

今年のイースター祭は味付け煮卵に、食感の良いたくあんと香りが爽やかな大葉とマヨネーズで仕上げた『エッグGang』。煮卵が丸々一つ入ったボリューム満点メニューに仕上がりました。

味付け煮卵に合わせる具材はどうやって考えたのか

煮卵はそれだけで完結する食材のため、合わせる具材はしっかり主張しながら合わせた時により美味しく感じていただけるものを検討しました。また、お持ち帰りいただく場合も考慮し、卵はしっかり固めに茹でるため、どうしても黄身のとろみを再現することが難しいです。

メイン具材と野菜のつなぎ役としても大変優秀なマヨネーズはこの煮卵にも間違いなく合うため、ソースは早々に決定しました。そうなると、食感が少し足りないと考えて、ポリポリとした歯ざわりの良さと煮卵の味を引き立てる食材は...たくあんを思いつきました。ご飯との相性ももちろんよく、ぴったりの組み合わせです。さらに、これだけでは香りが薄いと感じ、日本のハーブの代表である大葉を千切りを加えることにしました。

メニュー開発時に気をつけることは、食感や香りがあり、お互いの具材を引き立たせる合わせ方を心掛けています。また、馴染むのある食材を取り入れることで「新しいけれどどこか懐かしい」味わいを演出できればと思っています。

緩衝材として重要なソースは一工夫

全体の味を整えるソースは、いつも気をつけて作っています。お米、野菜、具材だけではどうしても味が締らず、いまひとつ。そこで、つなぎ役のソースは少しこだわってレシピを考えています。また、具材を包む際にソースが無い時は、具材同士をつなぎ合わせるものが無いためポロポロ崩れてしまう。さらに、季節によってお野菜やお米の水分量や味や硬さのバラツキがありますが、ソースの分量を調整することでできるだけ美味しく仕上げる縁の下の力持ち的な存在です。

ソースは味の要のため、少し遊び心を加えるように心掛けています。たとえば節分の時の『恵方巻き ゑびフライ MURASAKIタルタル』では、タルタルソースにしば漬けを加える、今回であればマヨネーズにたくあんと大葉。グランドメニューでも同様に少しエッセンスを加えることで、ソースでウツワらしさを表現できればと思っています。

味付け煮卵をイースター祭で使いたかった!

Instagramの投稿にも少し記載しましたが、イースター祭といえばイースターエッグですよね。そもそもイースターとは、イエス・キリストがゴルゴダの丘で十字架に掛けられ絶命した3日後に甦り教えを説いたとされています。日本ではクリスマスがメジャーですが、キリスト教ではこのイースターこそ重要な日。イエスが神であると証明された日だからです。

「たまご」は古来より生命、復活のシンボルとされていました。イエスの復活が生命の神秘とリンクし、イースターエッグが取り入れられるようになったようです。

このことから煮卵メニュー『エッグGang』が誕生しました!

命名『エッグGang』

みなさんご存知でしょうか?Instagramで最もいいねを集めた投稿が何なのか...それは「たまご」の画像なんです。
2019年1月5日、「EGG GANG」というアカウントに一枚の画像が投稿されました。

その投稿文には「一緒にInstagramで一番いいねを集めた画像として世界記録を打ち立てよう!」と記されていました。話題に話題を呼び、わずか10日程で世界記録を叩き出します。その数今現在5,300万以上のいいね。これはいまだに破られていません。

イースター祭のスペシャルメニューの名前を考えていた時にこの投稿を思い出し、オマージュ。「EGG GANG」のように世界記録が出るほど人気のメニューになって欲しいという思いを込めて「エッグ Gang」と名付けました。

実は以前よりたまごのフォルムの美しさに魅了されていて、アイコンが一時期たまごだったほど。そのためこの一枚の画像のインパクトに圧倒されたのはいうまでもありません。

タイムリミットは数時間後...ミッションは新メニュー考案!

ありがたいことに大人数の朝食をご用意する機会に恵まれました。数日間に渡りご注文いただきました。毎日同じメニューでは飽きてしまいますし、朝食のため重めの献立では食が進まないとあって新しいメニューを考えてご提供したいと考えました。予算内で、朝でも苦にならない、でもしっかりお腹に溜まるメニュー...やっぱりたまごか!と思いつきました。

兼ねてよりたまご丸々包んだメニューを作りたいと思っていたのでこの機会にメニュー開発に取り組みました。お渡しは朝5時。仕込みの時間があるため、じっくり考える余裕はありませんでした。そこで、前から好んでよく食べていた煮卵を思い出します。思い立ったら即行動!この煮卵は美味しいからきっと喜んでいただけるはず、そう思い込んで「えーい」と買い出し、仕込みに取り掛かりました。「えーい」「えーい」「えーーーい」の連続。なんとかお渡し時間に間に合いました。お客様からも大変嬉しいお言葉を頂戴し、良かったと一安心。

このメニューをぜひ皆さまにもお試しいただきたいと思ったので今回採用しました。

カットも考えたけどやはり丸々一個ベスト!

たまごの形は両端が窄んでいるため、包む際にどうしても中央に寄ってしまう点がネックです。一口目に煮卵にたどり着けない、また少し食べづらい点が改善点ではあります。カットして包むことも考えましたが、やはり煮卵丸々一つ入っている方が乾燥も防げますし、インパクトも大きく、食べた時に満足感が高いのではと思い、苦渋の決断でしたが丸々一つ入れることにしました。お箸もございますので、ご入用の方はお声がけくださいませ。

おわり

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