日記(96日目)

 十月も後半になり、だんだんと寒くなってきた。もうこんな時期かという時間の過ぎるスピードに驚くし、今週何があったか思い出そうとしても、ほとんど書くことが浮かばないのに驚いた。たぶん、ほとんど何も書くことが浮かばないような生活だから、びっくりするほど速く時間が過ぎてしまうのだろう。これはタイムマシンの一種ではないか、だって今日が十月の十二日ですと言われても、へーそうなんですね、くらいの感覚だし、何なら六年前くらいまで学生だったけど、実は五年しか過ごしていないんですよ、と言われたってそれはおかしいと言えるほどの時間感覚はないし、実は昨日は二十三時間しか過ごしていなくて、一時間ワープしましたと言われたら、そんな気もするかもしれない。

 時間というのは人によって流れる速さは違うというのは、アインシュタインが相対性理論の説明をするのにもそんな例えを使っていたと思うけど、物理学的にも時間は相対的なものであって、今ここに流れている時間というものを絶対的な数字で測れるものではない。日が昇って沈んだり、時計の針が一周したりするのを眺めることで時間が経ったということにしているだけで、皆に時計と同じ時間が流れているとは限らない。だから毎日何の印象も残らない毎日を過ごすことで、振り返ってみると周りだけ時が進んだように感じるタイムマシンになるのだ。というのはまあ屁理屈で、自分もしっかり年老いているのが悲しいけれど。

 昨日は色々あって妻の実家に妻を迎えに行ったのだが、高速を使って一時間くらいかかって、今まで一人では行ったことがなかったので、これが今週では一番新鮮な体験であった。妻は出かけていて、実家に帰るということであったが、私が行ったときにはまだ帰っておらず、一時間くらいお義母さんと喋っていて、よく考えたらお義母さんと二人だけで話すのも初めてだったので、これも新鮮だった。そういえば、今週整体に行ってストレッチポールというものを使ったストレッチを初めてやった。その日に寝るときの背中がぺたんと付く感じは新鮮だった。それから、妻が欅のファンで、今週はラストライブだったので、私も横目で見ていて感動した。こうして頑張って掘り返せば新鮮なことはそれなりにあった。必要なのはもっと心に留める余裕なのかもしれない。新しい一週間にはどんな新鮮なことがあるだろうか。

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