日記(89日目)

 これはあるあるだと思うが、頭の中では「すごいことを思い付いた、これは傑作だ」と思っていることも、書いてみればなんてことはない、ただの凡作になる。この現象に名前はないのだろうか、今週はこれを改めて思った。頭の中で自分が面白いと思ったイメージを、文字という媒介を通してどれだけ減衰させることなく、つまりトゥルーバイパスで他人に伝えられるか、ということだろう。

 頭の中といえば、先週にテレビでオリエント急行の映画をやっていて、私はあまりミステリーを通ってこなかったので、アガサクリスティも全然読んだことはなく、「灰色の脳細胞」という言葉も初めて聞いた。だから結構引っかかって、「灰色」と言われると老齢で衰えた印象だったので、ポアロさんは皮肉なのか謙虚なのかよく分からんな、と思っていた。だけど調べてみると、英語では graey matter とかgrey cells (灰色の細胞) という表現で、脳細胞の中でも神経の集まる灰白質を指し、日本語で言う「頭」や「脳味噌」のように、知力や思考力を司るものという趣旨で使われている、とのことだった。だったら単に脳細胞とした方が翻訳的には分かりやすかったんじゃないのか、と思うけども、そのお陰でこうしてまた一つ知識を得られたので良しとしよう。

 こうして私は生涯の間にどれだけの知識を得られるのだろうと思うことがある。出来ることなら森羅万象知り得たいと思うし、せめて一度得た知識は忘れないでおきたいと思う。そうすればもっと面白い話も書けるだろうが、人間には限界があって取捨選択して拾い集めていっても、私のポテンシャルとモチベーションではたかが知れている。頑張れ私の灰色の脳細胞。

 今週も特に代わり映えしたことはなかった。週末もほぼ家にいた。水曜日に整体に行って、少し意識が高まったので久々に筋トレを再開した。今日は妻が街に買い物に行くと言って昼から居なかったので、その間、一人になった私はこっそりコンビニで好きなものを買ってきて、飲み食いしながら、YouTubeで人狼動画を聞きつつ、フォールガイズをするという、無為徒食の極みのような時間を過ごして、大変満足した。

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