見出し画像

私の妹が鬱から脱出した話 19歳 女性

これは私の妹がうつ病になった時の話です。

私の妹は、当時19歳でした。18歳で高校を卒業した後、ホテルなどで就職したかったようで、そのような知識が学べる専門学校へ通うことになりました。

始めは頑張っていましたが、プライドがとても高い妹は、自分の思うように勉学が進まないことを悩み始めたのです。

英語も習得しようと、教材を買って試してみたのですが、どうも上手くいかない様子でした。本人の中で出来ないことが多くてもどかしさをかんじ、苛立ちが募っていったのでしょう。

なんとか二年間という専門学校生活を無事に終わらせることが出来たのですが、その頃にはもう、うつ病の症状が出ていたのです。

症状として、まずお家に引きこもるようになりました。全く外へ出ないのです。お家の中でフードを被り、寝ているか、日記を書いたり本を読んだりしているかのどちらかなのです。

話しかけても全く返事がないこともありました。幸い当時住んでいた所は狭い団地で、自分たちの部屋という空間が無かったので妹の様子を毎日確認することはできましたが、部屋があればきっと鍵をかけて閉じこもっていたことでしょう。

本当にたまに出かけることが出来ても、10分も絶たないうちに「お腹が痛いから帰る。」と言い出し、お家に帰ってしまうのです。

また、ある日妹の日記を見つけたことがありました。いけないとは思いながらも、少し中を開いて見てみたのです。すると、「死にたい」という文字がノード一面に広がり、最後の方はなぐり書きのように書かれていたのです。

この日記を見た時は本当に恐怖でした。このままでは自殺するのではないかと心配になったほどでした。病院へ行こうと誘ってもなかなか行こうとせずに、私達家族はどうしたらよいのかと困っていました。

しかし、ある日。私の友達が県庁で働いており、臨時の職員を探しているという連絡が回ってきたのです。そのことをダメ元で妹に伝えると、少し表情が変わったのです。

「やってみたいけど、でも怖い。」という妹の返事に、「これは何か変わるきっかけになるかもしれない。」と心の中で思いました。

妹はやりたい気持ちもあったようで、やりたいと返事したものの「やっぱりやめようかな。」と弱気になったりしましたが、面接会場まで母が付いて行き、どうにか面接を受けて採用となったのです。

採用された際に、私の友達と会社側にはうつ病であることを事前に話していました。そこから妹は見違えるように変わり始めました。始めのうちは外へ出ることさえ嫌がっていたのに、二〜三ヶ月もすると生き生きと楽しそうに職場へ向かうのです。

引きこもることも無くなり、外出も自分から行きたいと言い始めたのです。職場が妹を認めてあげる雰囲気を作ってくれたおかげで、妹は自信を持つことができ、今も元気に過ごせているのだと思います。

本人も「臨時で働けたから今の自分がある」と教えてくれました。些細なことがきっかけでうつ病は良くなります。一歩踏み出せたからこそ妹は変われたのだと思います。


サポートの資金はうつ病体験談募集の為に使わせて頂きます。また、仕事でうつ病になった方達の為になる事に使わせて頂きます。