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『雪は天からの手紙』(中谷宇吉郎)

*2022年1月朗読教室テキスト②アドバンス
*著者 中谷宇吉郎

雪とは一体何であるか。それは簡単にいえば水が氷の結晶になったものであるということが出来る。しかし普通の水が凍ればそれが雪になるかと言えば、決してそうでないことは誰でも知っている通りである。池の水が凍ったものを雪と呼ぶ人はない。雪解の水や滝の流れが凍って棒状になっても、それは氷柱つららであって、雪にはならない。凡てわれわれが普通に知っている氷は液状の水が凍ったものであるが、この種の氷は雪にはならないのである。雪は水が氷の結晶となったものなのである。(本文より抜粋)

ビギナーコースのnoteに思わせぶりなことを書いてしまいましたが、実はこの『雪は天からの手紙』は、思考の過程でビギナーコースのテキスト『氷と後光』と対になっているものなのです。
 
雪の結晶に似て、氷の結晶、「氷晶(ひょうしょう)」という言葉があります。 氷晶は雪の結晶のもととなる、水の分子が集まったもので六角形をしています。雪の最初の形です。
https://www.honda.co.jp/kids/explore/snow/

『氷と後光』が氷晶を表すとしたら、それは後光を受けてキラキラと輝きながらいつしか雪の結晶となり、天からの手紙としてわたしたちのもとへやってくることになります。その始まりのひとかけらを、朗読教室をきっかけに各々が生み出していけたら・・・と、いつの頃からか考えるようになりました。

朗読リレーで人と呼吸を合わせ、他の人の朗読を真剣に聴きながら、その場の誰かと一つの物語を朗読することが楽しいと、ウツクシキに参加くださる方々がよくおっしゃってくださいます。それを受けて私も、より「人との優しいつながり」を感じられる部分を大事にするようになりました。誰かと力を合わせることを存分に楽しみ、人と紡いだ朗読が生み出す魅力を、目で見て耳で聴いて感じていただきたいと思います。

誰かの上に立つことが望まれる時代ではなく、皆が集い、それぞれの持ち味を最大限に活かして、美しくきらめく結晶を紡いでいけたら。2021年の終わりに、朗読教室の目指していくところを言葉にすることができました。

朗読教室ウツクシキ

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