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うつ病の急性期、記憶が吹っ飛んだ話

どうも、しま子です。

うつ病になると、しばしば記憶がなくなる現象が起こります。これは、前頭葉の認知機能低下がうつ病によって引き起こされる症状です。

うつ病の患者さんがよく、季節がいつの間にか変わっていたとか、今まで自分が何をしていたのかわからないと言った発言をするのは症状なので、ごく当たり前の話です。

私も例にも漏れず、うつ病の急性期の時に記憶が飛んだことがありますので、今回はそのお話をしようと思います。

うつ病当事者が経験した「記憶が飛ぶ感覚」とは?

私の記憶が飛んだのは、うつ病が一番ひどい急性期の時期です。

急性期の時期は、ろくに睡眠もとれていなくて食欲もなく、とにかくゾンビのように生きていました。

生きた心地がしないと言う言葉がまさにぴったりで、自分が生きているのか死んでいるのかさえ分からないような感覚です。

毎日睡眠不足なので、起きていてもスッキリせずまるで永遠に覚めない夢の中にいる感覚で、意識がはっきりしません。

夢って見たとしても時間が経つにつれ、忘れていきますよね?おそらく一番近い感覚としては、現実が夢の中みたいな感覚で記憶が薄いと言った印象です。

薬が効き始めてから徐々に記憶が鮮明に

抗うつ剤を飲むようになって1ヶ月くらいした時、ようやく眠れるようになって体調も回復してきました。

回復と同時に意識も鮮明になってきて、夢の中にいるような感覚はなくなっていました。

そして今、うつ病が一番辛かった時の記憶を思い出そうとしても、うっすらとしか思い出せません。確実に「辛く苦しかった」という感情は思い出せても具体的にと言われると、説明するのが難しい感じです。

辛すぎる記憶は「解離性健忘」といって、一時的に記憶がなくなってしまう症状で、酷い人は自分がどこの誰なのかも忘れてしまう人もいます。

うつ病も、解離性健忘によって部分的な記憶が曖昧になってしまうのでしょう。

うつ病が理解されないのは当事者が忘れたい記憶だから

うつ病が理解されない原因の一つは、辛さが言語化しにくいからです。

うつ病を経験して、いざ辛さを伝えようと思っても記憶が飛んでいたり薄まっていたりするので具体的に説明するのは難しくなります。

うつ病は、辛い病気なのにその辛さを伝えることも症状によって許されない、なんとも残酷な病気です。

当事者としては忘れたい記憶なのですが、うつ病を理解してもらうにはこうした辛い記憶が重要になってきます。

辛い記憶を日記に残す

私は、普段に日記をつける習慣がないのですが、うつ病が一番酷い時は日記をつけていました。

毎日ではありませんが、1行くらいの短い言葉で綴っていました。そのおかげで、うつ病の辛い記憶をなんとか思い出して、日々発信しています。

辛い記憶を日記に残すことで、当時の記憶が思い出せなくてもなんとなく当時のことが蘇ったりするのです。

うつ病の辛さを伝えるには、こうした何気ない記録も有効なので今の辛い気持ちをぜひ発信していくことをおすすめします。

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