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大人になるということ。

「大人になるってどういうことなんだろう?」
ありがちな疑問だ。
成人する事?仕事に就く事?自分で生活出来るようになる事?いろんな意味で自立する事?

私の中で大人になるというのは、”よく考えたり悩んだりしたか”だと思う。

例えば、子供は本能の塊だ。赤ちゃんが”ここで大声で泣いたら人に迷惑がかかる”なんて考えはしないだろう。本能のままに、泣きたい時に泣く。笑いたい時に笑う生き物だ。
本能のままに生きていた子供も、そのうち色々な事を考えるようになる。悩みもたくさん出来る。そうやってだんだん成長していく。

たくさん考えたり悩んだりしてきた人は、やっぱり大人っぽいなと思う。実年齢は関係ない。
逆に実年齢は立派な大人で職業も立派なのに、考え方が幼い人だっている。
一時期、年上と話す機会が結構あったのだが「あぁ、この人はあまり悩んだり考えたりせずに何となく生きてきたんだろうな」と思う時も多々あった。
目的も特になく何となくで大学に行って、就職活動中は多少悩んだりもしたけど、そこまで自分の身の振り方も考えずに何となく内定が出て、そのまま何となく会社員をやっている。その仕事が自分に本当に合っているかどうかは真剣に考えた事はない。そういう人って世の中にたくさんいるんだろうなぁと思う。

10代後半〜20代前半は特に悩みが多い時期だと思う。
30歳の自分からすると、若者は随分くだらない事で悩みがちだ。実際私も若い頃はくだらない事で悩んだものだ。それでいい。大いに悩め。たくさん悩んで考えて成長しろ。
60歳くらいの人からみたら、今の私の悩みも結構くだらない事なのかもしれないな。


悩んでる人に対して、下手にこちらがアドバイスしまくったところで、実際に自分でその答えにたどり着かなきゃ意味がない。
参考書の分からない問題の解答だけ見せても、本人が解き方を理解しないと全く意味が無いのと同じだ。答えは自分で見つけて、噛み砕いて飲み込まなければならないのだ。


少し前まで、大人になる事は”何かを諦める事”だと思っていた。何か問題にぶち当たってよく考えたうえで「これは自分には出来ない」と諦める。何かを諦める事を繰り返してだんだん大人になっていく。

でも今はそうじゃないなって思う。諦めるという結果を導く前には必ず”考える”というプロセスを経ている。「これは本当に自分に出来るのか」「辛くても続けられるのか」
色々考えた結果、諦めるという決断を下したに過ぎない。

だが、よく考えた結果、諦めないという決断を下す時だってある。
その問題について諦めないで続けるのか、諦めて辞めるのかは些細な違いに過ぎない。
どちらにせよ”考える”という行為を経ている事は共通している。

だから考えるという行為により人は精神的に成長していく。たくさん考えて生きてきた人は芯が通った人が多いように感じる。

”反省”も考えるという行為の一つだ。例えば、怒られた、悪い事をした、ではどこが悪かったのか、どうすれば改善出来るのかをよく考える。何か悪い事をしてしまったのは仕方ないとして、それを再発しない為にはどうするのかよく反省して考える。それが大人だと思う。


他人に対しても同じだ。大人は、他人に対しても思いやりを持っている。
「これを言ったら相手が傷付くだろうな」とか「今は助けを求めてるから助け舟を出そう」とか、相手の事を色々考える。

思えば、子供の頃鬱陶しいと思っていた親の細かい注意は全て自分の事を考えてくれてたこそだなと、今なら分かる。
”親の心子知らず”とは言ったもので「アレコレ口出ししてきてうざい」なんて思っていたものだ。まあ私の母親は口を出し過ぎな部分もあるのだが。それでも私の事をとにかく大事に思ってくれてたんだろうなと。


相手の事を考えられない人はいつまで経っても成長しない。身勝手に振る舞い、自分が世界の中心で、他人は自分の為に存在していると勘違いしている。裸の王様だ。大抵は、そのうちみんなに呆れられて周りに人がいなくなる。そういう人は、ごく一部の”自分の何もかもを肯定してくれる人”だけを取り込んで生きていく。
ろくに考える事もせずに。自分の良い点、悪い点を考えないので永遠に成長しない。
精神的に幼いくせに、下手に頭が良い人だと理屈を捏ね回してきてこちらを論破しにかかるから厄介だ。実際に、頭は良いけど精神的に幼い元友人に論破されそうになった事もある。元友人と言っているくらいなので、もう縁は切ったが。


まあ何にせよ、考えるという行為が人を成長させる。大人になる。
考えない人はいつまで経っても成長しない。子供のままだ。よく”あの人は発言が幼い”と揶揄されたりする。
これは精神的な話なので、実年齢とかは一切関係ない話だ。

これが、「大人になるとはどういうことか」の現時点での私の考えだ。


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