やりたいことだけをやり、やりたくないことは決してやらない[2017・7~]

仕事に長期間“囚われる”経験を久々にしました。数年に一度か二度そういう仕事に遭遇することがあり、それはフリーランスとして働く以上必ず織り込むべきリスクなのかもしれません。でも、時に後々まで尾を引いて心身両面の不調につながったりすることもあるので、油断は禁物です。

デザインの仕事を長く続けていると、時々“ミスマッチ”ということがあります。たとえば、(自分の例ではありませんが)ロゴデザインが本職ではないのに頼まれる、とか、違う業種の方から仕事の依頼が来る、とか。いわゆる「守備範囲外」の仕事は大変なこともたくさんあるけど、それまで気づかなかった自分の新しい扉が外側から開かれるチャンスといえます。自分自身も積極的に引き受けることによって得難い経験を重ねたり、ある意味ミスマッチを“マッチ”に替え、ここまで守備範囲を少しずつ広げていくことができました。

その一方で、本当に残念な意味でのミスマッチも度々あります。仕事相手に敬意を払えていない(実質的に誰でもよかった)状態での依頼はお互いにとって不幸であるうえに、デザインのゴール共有という最大の目標達成すら難しくなってしまいます。

やりたいことだけをやり、やりたくないことは決してやらない。職務としての毅然とした姿勢や一貫性を徹底して保つことにより、他者とマッチする部分が研ぎ澄まされ(狭くなり)、悪い意味でのミスマッチな仕事を寄せ付けなくなるということは確かにあるだろうと思います。それで仮に一時的に仕事量が減ったとしても、やがて自分の考えやテイストに近い仕事が集まってくるようになるはずです。

もうひとつは冒頭にも記したように、長く仕事を続けていく上でのリスクと割り切って、トラブルに負けない交渉力やタフな精神を準備しておくとか、ストレスに流されて夜更かしや暴飲暴食をしないといった自己管理を普段から心がけること。……当たり前のことですが、これは自分自身の経験にもとづく痛切な反省でもあります。いざとなれば、自分が困るだけではなく家族も悲しみます。おかげで、いまではどんなに忙しくても、突然体調を崩したりするようなことはなくなりました。

6月30日の嗣永桃子ラストライブの感想は、いずれまたの機会に(只今執筆中)。


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