白杯 勝手にうつスピ賞 5句

うつスピとしての発信、
うつ病に関する発信をきっかけとしてフォローしてくれた方には「??」というところだと思いますが、
note内で白杯と言う俳句大会がありまして、参加させてもらいました。

みんなの俳句大賞はこちらから。

大賞は、
空を縫い野に刺し子する赤とんぼ dekoさんの句ですね。

赤とんぼが動く姿が、空を縫ったり、野に刺し子したりと、
「あぁ、言われてみればそういう動きをするな」と納得する人が多かったからの大賞ではないでしょうか。共感の多い句ですね。
刺繍×赤とんぼ。素敵な発想の句でしたね。


さて、今回の提出句、516句をほぼまっさらな環境で全句鑑賞しまして、
私なりに気に入った句がありましたので、
勝手にうつスピ賞を作りたいと思います。
私の俳句の腕前?そんなことは置いときましょうよ。(笑)
一応私の句のリンクを貼っておきます。

そして、うつの人に、「何らかの表現」(例えばとしての俳句)に親しむことの良さを書いたリンクも貼っておきます。

うつからの完全脱出(下園壮太)からの引用として

休むためのトレーニング
うつのときに利用できる時間の過ごし方は、お年寄りの時間の過ごし方に学ぶべきである。お年寄りには、それほどエネルギーはない。だからエネルギーを過剰に消費しない楽しみ方を自然に見出している。
私がうつの基礎体力回復期リハビリ期の人にすすめている「休み方のメニュー」には、短歌・俳句・川柳、絵画、写真、散歩、ヨガ、呼吸法、つりなどのように、お年寄りでも十分に楽しめるものが多い。私は休めないというクライアントに対しては、休むという習慣をつけるために次のようなエクササイズを紹介している。

という文章があることから、俳句という一分野について紹介しました。


うつ病のひとにとってnoteはいろいろと表現できるとてもいい空間ですよね。俳句もどうでしょうか。
ということで、
うつスピ賞 5句の発表です。


まず1句目

推し結婚秋の嵐の衝撃波


「推し」と言う比較的広く認知されて来た言葉を最初に持ってきたことで、
2021年の体感が入っていますね。
(私は推しの子という漫画が好きです)
こういった新しい言葉を詠もうとするチャレンジが大好きです。
私たちは令和の時代に生きていますからね。

「推し結婚」と上六文字となった効果も、定型から外れていることで、衝撃を感じる効果があると感じました。
そして、「秋の」「嵐の」のAの母音で韻を踏んで「の」でリズムを整えつつ詠み、
最後に「衝撃波」と自分自身の体感におさめる。
推し結婚の衝撃が、秋の嵐の衝撃波のように体験できる句ですね。
この句は上手いなぁと思いました。

また、この句から連想した出来事は、「嵐の結婚のニュース」ですね。
2021年9月28日に嵐の櫻井翔くんと相葉雅紀くんが結婚したニュースがありましたね。
「推し結婚秋の嵐の衝撃波」
私はこれを連想して「あー上手い!」「すごい」と思いました。
この句を嵐結婚のニュースとかのコメント欄に書き込むと評価されるだろうなーなんて感じました。
この句が、「俳句なのだろうか」というところを感じている方もいると思います。(審査員選ぶだろうかと言うのを、みんなの俳句大会の予選から落ちていたので特に感じました)
作者の意図はおそらく嵐の2人のことですし、「言葉に無駄がなくて上手い」と思ったため、選ばせてもらいました。
※公平を期すために作者の俳句のリンクも見ていなかったのですが、


やっぱり嵐のことだったんだ!と思いました!
作者は茉叶☆Makanaさん。
嵐結婚を踏まえての2021年10月1日の一句出しの投句。素晴らしい感性だなーと思いました。
夏井いつきさんの句会ライブに親子で入選するなど、言葉と親しんで、
確かな力もあるからこういう嵐結婚のニュースから瞬発力のある俳句を詠むことが出来るのだなーと納得しました。



2句目

曼殊沙華ブレーキ踏んだあとが無い


衝撃を受けた句でしたね。
高速道路を走っていると、ブレーキ跡が本来向かってはいけない方向に黒く残っているのを見ることがあります。
この句は、命の大切さに気づかさせる句でした。
曼殊沙華という彼岸花死人花とも言われる生死のイメージのある季語。そして、道端に咲く赤くて怖くなるような存在感。
そんな季語と、「ブレーキ踏んだあとが無い」という言葉の取り合わせです。
私はこの句から、警察官の方が何人もいて現場検証している姿や、
花が供えられている現場に、赤い存在感のある曼殊沙華が咲く姿を思い浮かべました。
自動車の怖さや、命の大切さ。この句の奥に描かれてある、歩行者や運転者同乗者の姿を思い浮かべて怖くなるぐらいの句でした。
この句は、2019年に起きた「東池袋自動車暴走死傷事故」のことだろうかとややよぎる部分はありましたが、

私としては、ある一つの自動車事故があった現場に咲く曼殊沙華と、ブレーキ跡もなにもない現場を想像しました。

開けてみると作者は、菊池洋勝さん。かなりの実力者の方でした。
1句目の「蔦の診療所で読めるドラえもん」はみんなの俳句大会らしい予選を通った句ですし、
3句目の「候補者の触れぬファイルや秋深む」は「赤木ファイル」と言われるファイルのことと、10月30日に行われた選挙のことを読み込む。
かなり上手いです。
こうなってくると「ブレーキ踏んだあとが無い」の句の鑑賞も、
「東池袋自動車暴走死傷事故」のことなのかもしれないですが、この句はこの句として独立の自動車事故の景で鑑賞させていただきました。

かなりの句を詠んでいるらしく、100年俳句賞という50句出しの俳句賞にチャレンジされるような俳人さんでした。※作品はこちらのリンクから。


これからも素晴らしい作品を応援しています。



3句目

梨の汁滴る包丁から肘へ


実感のある句ですね。
梨のみずみずしさが美味しそうに伝わってきます。
梨を切ったときに、包丁にも果汁が伝わるし、包丁を越えて自分自身の肘まで伝ってくるんだという俳句。
梨が美味しそうに描けていること、この句を読んだ人に梨の良さを伝えるいい句だと思いました。
正岡子規の句に、 梨むくや甘き雫の刃を垂るる
なんて句もあります。
季語はおいしそうに魅力的に描くと美しいのではないでしょうか。
この包丁から肘に滴る句は梨の汁の描き方として美しい句です。
実際に体験したであろうことをそのまま句にする。素敵な句でした。

そして作者はキラキラヒカルさん。46歳の主婦の方とのこと。
やっぱり実感がある俳句、素敵ですね。
梨が美味しそうに描けていますもの。
(また、別の提出句にありました、オールナイトニッポンの句、私もオールナイトニッポンを聞くので共感しました。私は翌日以降の日中に聞いていますが)



4句目

虫の闇「ねないこだれだ」開けたまま


虫の闇=「暗闇に虫の声だけ聞こえ、闇がいっそう暗く感ぜられること」
虫の声や虫の音でなくて、「虫の闇」として、
空間の広がりを感じさせる季語を選んだこと。
続いて、「」つきの「ねないこだれだ」というすべてひらがなの言葉であり、絵本だろうなと感じさせる構成。
また、「ねないこだれだ」=寝ることを想像させる絵本。
最後に、絵本を開けたまま・・・という余韻から、
読者に、「どうなったのかな?」「寝てしまったのかな?」と想像させ、そんな家の中の出来事を描きながら、
虫の鳴き声と空間の広がりを感じさせる構成。
無駄がないです。
季語は「虫の声」でも成立しないし、(闇を印象付けたほうが良くなる)
絵本が開けたままになって眠りについたり遊びに行ってしまう句はあるあるの中に入るかもしれませんが、
絵本のタイトルが「ねないこだれだ」となっていることで眠りが強調されるし、
最後の開けたままという言葉もこの句に余韻を残すことに対して効いているし。いい句だなぁと思って鑑賞しました。

作者は、IKUKO.T🍅するすみさん。
(実は私のフォローフォロワーさんの句です。)
(公平な審査で楽しみたくて極力応募記事を見ない努力をしていたのですが、見てしまったものはしょうがないです。)
(コメント欄にもがっつり私のコメントが書いてます。(笑))

ねないこだれだ、絵本としては、
「おばけがなかなか寝ない子をおばけの世界に連れていってしまいます。」
との絵本内容みたいですね。
私は知らない状態で鑑賞しました。

「絵本を開けたまま眠っており、小さな寝息ともに虫の鳴き声が部屋の空間に聞こえてくるような一句」として鑑賞しました。
人によっては「子どもが連れ去られた空間に虫の鳴き声だけが残る句」に鑑賞するかもしれないですね。

前回大会をきっかけに俳句に取り組んで、
どんどんといろんな表現方法を吸収している中での素敵な一句(三句)でした!
正直、今でもIKUKO.T🍅するすみさんの句は、
何らかの賞には入るだろうなーと思ってはいますが、
うつスピ賞に見事入賞しました!



5句目

AIの長考二秒星とべり


私は将棋の景で読みました。
最近の将棋対局はAIによる最善手や、状況判断も行われていますね。
AIの長考、少し違和感のあるような言葉の並びで、
次に続くのが「二秒」です。
人間基準では、長考といえば平気で10分20分と越えてくるのですが、
AIの長考二秒。AIにとっては、2秒という単位が長考なんだと人間との対比にハッとさせられるものがありました。
この句と星が飛ぶことへの関連。
AIの中で思考回路をあれこれと考える中で、四方八方に飛ぶ星のように様々な指し手が巡っているのかもしれない。
そんな風に感じてこの句を選びました。
勝ち負けの「星」がとんだ、を暗示させているんだ、
なんて読み方はあまり魅力的でないなと思いました。
星とべりは季語として鑑賞しました。

作者は、はねの あきさん。
「ほぼはじめてはいくよみます・・・???」
ちょっと信じられないですね。

普段から創作活動をさせている方のようです。

短く書く意識も大事にされているみたいです。
でも、「AIの長考二秒」なんてフレーズ、どうやったら出てくるんだろう?
将棋解説で「AIにしては長考ですね、2秒かかりました」なんていうのでしょうか?聞いたことがありません。
(※私は将棋解説についてそこまではくわしくありません)
AIの考える数秒間に数万数億と手を考える行為に、
星がとぶ姿を取り合わせるのはとても魅力的だと感じました。

ということで
うつスピ賞は

推し結婚秋の嵐の衝撃波  茉叶☆Makanaさん
曼殊沙華ブレーキ踏んだあとが無い  菊池洋勝さん
梨の汁滴る包丁から肘へ  キラキラヒカルさん
虫の闇「ねないこだれだ」開けたまま  IKUKO.T🍅するすみさん
AIの長考二秒星とべり  はねの あきさん

の5句でした!名句揃いですね♪
おめでとうございました!
誰か私の句も褒めてくれないかなーと思ううつスピでした!(笑)
(全句読んで私設の賞を作るムーブメント起きないかな(笑))
本来の審査員の表彰を楽しみに待ちましょうね♪


私の句は、Fブロック予選に残りました。
惜しくも敗れましたが、
中間投票で分かっているだけで投票してくださった、
右折して名月行きの最終便 14
14人の方、投票ありがとうございました。

私の記事の俳句にコメントをくださった方、
Fブロックの俳句が発表されたときに
わざわざ俳句一覧からコメントをしに来てくださった、
なごみ@ドラさん、ありがとうございました。


愛を込めて。

(あ、うつスピがnoteを始めたきっかけである、
うつに関する勉強した内容の発信も、苦労してまとめましたので、
興味がある方はよろしくお願いします。)

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