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Japanのアルバムを聴いて(3月の日記より)

ジャパン(Japan)は、イギリスのニュー・ウェイヴ・バンド。デヴィッド・シルヴィアンを中心に1974年結成。1982年解散。

Wikipedia「ジャパン(バンド)」より

1st “Adolescent Sex” (邦題『果てしなき反抗』)

1978年リリース。後年ニューエイジっぽくなるジャパンだが、この頃はファンキーなハードロック。
リーダーのデヴィッド・シルヴィアン本人による評価は低いらしいが、既にエレクトリックな音像も聴こえ、勢いのある白人ファンクとして、これはこれで良い。
(2024.3.3)


2nd “Obscure Alternatives” (邦題『苦悩の旋律』)

同じく1978年リリース。1stから約半年後の録音だが、限定されたコードワーク、リズムの複雑化、レゲエの導入など、一気にニューウェーブ化している。
特に終曲の“The Tenant”は、このバンドの新局面を示していると同時に、美しい名曲。原題は「曖昧な代替手段」という意味だが、その言葉は、このバンドの新たな方向性について、かえって明瞭に言い当てている。
(2024.3.3)


3rd “Quiet Life” (邦題『クワイエット・ライフ』)

1979年リリース。この間に、アルバム未収録のシングル曲“Life In Tokyo”(1979.4)におけるジョルジオ・モルダーとの共同作業を経ている。(この曲はベストアルバム“Assemblage”(1981)に収録されている。)
このアルバムからジャパンは後期様式になる。ニューウェーブと言ってよいが、静的で美しいサウンドはボウイのベルリン期を、都会的なグルーヴィーなリズムセクションはYMOを彷彿させる。次作で坂本龍一が参加するのも頷ける。完成度の高い名作。
(2024.3.10)


4th “Gentlemen Take Polaroids” (邦題『孤独な影』)

1980年リリース。前作よりも全体的にサウンドが重くなり、ロック感が増した印象。個人的には前作の方が好み。制作はシルビアンのワンマンだったらしいが、それも関係しているのかな?
しかし坂本龍一参加の"Taking Islands in Africa"は名曲!
(2024.3.11)


5th “Tin Drum” (邦題『錻力の太鼓』)

1981年リリースの最終作。
全編が中華風・和風なサウンドで統一されており、朗詠までも飛び出す。私たちは即座にYMOを思い浮かべるが、よく聴くと少し異なり、西洋人の理想化された「アジア」の音なのだと気付く。プッチーニの《トゥーランドット》的名盤。
(2024.3.12)


そのうち解散後の同メンバー別名義による『レイン・トゥリー・クロウ』(1991)も聴きたい。


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