ダス・ゲマイネを読んだよ

今回は、前回(だいぶ前)の日記に挙げた文アルの「文学全集」の中から、太宰治の「ダス・ゲマイネ」を読んでみた。

私の記憶にある限り、太宰治の著作をまともに読んだのは中高時代に読んだ「走れメロス」くらいなので、私は太宰の文章というものを殆ど知らない。ただ、私の友人やテレビに出ている著名人から太宰治のファンであるという話を聞くことはちょくちょくあったため、彼がどんな話を書いてるのかな~と頭の片隅で思ってはいた。

まさか文アルにハマって、その影響で本格的に読むことになるとは思ってなかったけど……。

「ダス・ゲマイネ」を読んだ時、まず思ったのは「人間の不安定さ」というか、「不安定な人間たちの様相」がありありと描かれてるな……ということだった。突然目の前に現れ、会う度に恰好や言ってることがコロコロ変わる男、その男を始めは疑うものの次第に男の話に翻弄されていく語り手……。その翻弄されていく様は私からするとあ~あ~……ってなるくらいの翻弄されっぷりだったが、一度信じたいと思った相手のことを信じてあげたいという、雁字搦めの「感情」自体は好きだな私……。そういう破滅に向かっていく感情というかなんというか……。語彙力がない。

「走れメロス」は「信じる」という感情が幸せな結末に導いてたけどこれは破滅に向かって行ってたのである意味対照的な作品なのかもしれない。いや信じる相手の良し悪しも勿論あるけども。


あとこれは文章自体の話になるけども、太宰が文章のリズム…?を作るのが上手いのか最初から最後まで自分にしてはテンポよく読み進められたな、と感じた。この作品の登場人物(先程言った「言ってることがコロコロ変わる男」のこと)の台詞は割と支離滅裂な感じであるがそれすらもすらすら読める。なんでだろ。短文で畳みかけてくるからなのかな。太宰の作品って皆そうなんだろうか……?


他の作品もちょっと気になってきてはいるので(実は友達にも色々太宰の作品を勧められている)、これからも時間のあるときに読みたいと思う。

それでは。


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