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【東大生進学選択体験記⑤ 自分に合う進学先を選ぶ大切さ】

こんにちは、東京大学ピアサポートルームのキャリアチームです。
キャリアチームでは東大生が自分のキャリアについて考える際の参考にしていただくため、東大生の就活や進学選択に関する体験談を投稿しています。
今回は東大生進学選択体験記シリーズ第5弾です!

2021年度進学、文科3類→文学部人文学科美術史学専修課程
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〇進学選択の時、実際の進学先と悩んだ進学先はありましたか?
 同じ文学部人文学科の美学藝術学専修課程と迷いました。私は子供の頃から美術館によく行っていて、入学前から大学では美術について学びたいと漠然と考えていたのですが、文学部で美術について扱うことができる専修には私の所属する美術史学専修課程と美学藝術学専修課程の2つがありました。美術の中でも興味のある分野によっては専修を決めやすいのですが、私の場合、どちらの専修課程でも自分の興味のある分野についての研究が可能で、非常に悩んでいました。

〇最終的に進学先の学部学科に決めた理由はなんですか?
 まず、学問自体の性質が決め手の一つでした。美術史学と美学藝術学の違いは大まかに言えば藝術について、歴史面から考察するか、思想面から考察するかというアプローチの違いにあると思います。それを反映して、美術史学は美学藝術学に比べて作品を実際に見て分析をするということが重要視されます。このことから、美術館での作品鑑賞が好きだった私にとっては、美術史学が適していると感じました。また、古今東西の作品に広く触れることができるという点も美術史学を魅力的に感じた理由です。
 加えて、自分にとって大きかったのは実際に両研究室を訪れ、教員の方から話を聞いたことです。各研究室の先生と実際に話すことで専修課程での学びを具体的にイメージしやすくなりました。実際に自分が学ぶ空間を訪れてみて、研究室の雰囲気を肌で感じることも重要だと思います。
 進学先を決めるには学問自体の興味ももちろんですが、2年間身を置くことになる研究室の雰囲気、先生や先輩の様子、授業の雰囲気などを重要視するべきだと思います。文学部は他専修、他学部の多くの単位が卒業要件として認められるので、興味がある学問は進学後も履修することができます。また、研究室の規模が比較的小さいので(私の同期は5人で、研究室の定員も12人です)、研究室に合う、合わないという問題は重要です。他学部の状況には詳しくありませんが、特に文学部に興味がある方は環境重視で選択するほうがいいと思います。

〇進学選択を意識して、1.2年生の時にどのような過ごし方をしていましたか?
 勉強については特に何もしていませんでした。特に文三から文学部に進学する方は、一部の専修課程を除けば点数を気にする必要はそれほどないと思います。私が進学を決めた美術史学専修課程は定員割れをしていたので、点数を気にする必要は全くなかったです。文学部の他の進学先を希望している場合でも、真面目に勉強していれば基本的には到達できる点数だと思います。
 ただ、進学後にいくつか後悔したことがあります。というのは、実際に進学した後に、事前に思っていた印象や学びとのずれを感じたからです。3年次に感じた事なのですが、(大学2年次は全面オンラインだったということもありますが)、自分が思っていた以上に研究の場という色が強く驚きました。娯楽のためではなく美術館に足を運び、作品鑑賞を通じて勉強をしたり、論文を読んだりすることも増えました。(感染症前の駒場1年時代よりも大学や図書館に行く頻度が多くなりました。)いわゆる基本知識の「勉強」は自分で行うことが求められるので、駒場時代に概説書を勉強しておけばよかったと後悔しました。(前期教養課程の美術史に関する授業はわずかしか無いので、前期の授業を通じて学ぶのは難しかったです。基本的に前期の授業は教養学部の教員が行うことが多いと思うので、美術史に限らず、自分の興味のある分野の入門書は早めに学習するべきだと思います。)
 このため今では、一回だけでなくもう少し頻繁に研究室に伺って、先輩方も含めもっと多くの人のお話を聞いたり、講義を聴講させてもらい、進学先での実際の学びをより具体的に知ったりすることが必要だったかもしれないと思っています。(前述したように文3から文学部への進学は一部を除いてそれほど点数が必要ではないので、聴講もしやすいと思います。)聴講については、単位は取れませんが、外部の先生を招いた講義はその年にしか開講されない場合があるので、もし面白そうな授業があれば、聴講してみるのも十分ありうる選択肢だと思います。その場合は、シラバス記載の先生のメールアドレスから事前に聴講したい旨連絡しておくとスムーズです。

〇最後に後輩へのメッセージをお願いします。
 後期課程の2年間はとても濃密で、多かれ少なかれ自分の考え方にも影響します。卒業後にも、進学選択で選んだ自分の専門は自分の軸になると思います。私自身、3年生の1年間で美術史学的な見方、考え方をするようになったと思います。
 進学選択は単に大学生の2年間だけではなく、自分の人生にとっても重要な選択です。点数が高いからといった理由や、周りの人の大多数が行くからといった理由だけではなく、しっかりと下調べをして自分に一番合う進学先を探すことが納得のいく進学選択をする鍵だと思います。

〇執筆日
2022年4月2日

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