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新入生必見!!履修の前提知識

こんにちは!
この記事では東京大学の新入生のために履修を組む上で必要な知識がまとまっています! 

東大の履修は他大学に比べても複雑な履修体系になっている上、独自の用語がたくさん用いられており、初めて履修登録に臨む時には多くの困難が伴います。
(実際自分も大変でした、、、)
それらの困難を少しでも軽減するため、ここでは履修に関する基本的な用語、知識をまとめておきたいと思います。

しばしば東大では複雑難解な「履修の手引き」を読み解くための「履修の手引きの手引き」が多くの先達によって書かれています。しかし、それさえもある一定の履修に関する知識を前提としています。
なのでこの記事はその痒いとこをケアする、いわゆる「履修の手引きの手引きの手引き」です。

これを読めば他の方たちが書いている履修に関する資料を解読できるようになると思うので是非目を通していってください!

※この記事は筆者の調査や経験に基づいて執筆されています。皆さんに故意に誤った情報を伝える意図はありませんが、制度の変更や私達の勘違いがあるかもしれません。必ず自分でもシステムを確認してください。この記事によって皆さんに損害(留年等)が出ても、私達で責任を負うことはできません。

※※この記事は概論であり、正確さよりも分かりやすさ、基礎の抑えやすさを重視したものになっています。この記事のみを参考にして履修戦略を立てるのは危険です。必ず、履修の手引きを確認してください。

東大の授業期間

多くの高校では三学期制が取られていますが、東大ではターム・セメスター制という独自の学期が採用されています。1年がSセメスターとAセメスターの二つに分けられている、ということです。
そしてさらに、各セメスターがタームに分けられます。Sセメスターの前半がS1ターム、後半がS2タームといった具合です。

セメスターはSセメ、Aセメと略され、よく東大生同士のおしゃべりで使われます。隣からこの単語が聞こえてきたらその人は十中八九東大生です。
渋谷のスタバや井の頭線内ではよく聞きます(笑)。 

また、ついでにいうと1S・1Aはそれぞれ1年生のSセメスター、Aセメスターのことをさします。

学期

単位とコマ数

大学には単位というものがあります。「単位を落とした」の単位ですね。
この単位をとっていくことが大学生の責務です。単位は授業を履修し、一定の成績を獲得することによって取得することができます。具体的には以下のようです。

履修登録をする(時間割を組み立てること)

履修する(授業に出たり課題を出したりテストを受ける)

一定程度の成績を取る(50点以上)

大学では成績に関する多くのことが、この「単位」を基準にして話が進んでいくのですがもう一つ「コマ数」という基準もあります。
この単位とコマ数の関係は大学生にとって当たり前すぎてほぼ解説されることはないのですが、かつて自分はこれに頭を悩ませたことがあるので説明しておきます。

基本的に1コマ=2単位です。
ただ例外的に1コマでも1単位の授業があります。それは①ターム制で行われる授業と②スポ身と呼ばれる授業です。

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上は自分の1Sの時間割ですがS1タームとS2タームで変化している授業がありますね。英語一列①から英語中級に変化しています。これらはそれぞれ1単位です。
また先ほど言ったようにスポ身はセメスターに行われるにも関わらず単位は1です。
また上記の文科用の時間割にはありませんが、理系の実験もこの例外に含まれます。週2コマを1セメスターで2単位、もしくは週2コマを1タームで1単位取得することになります。Sセメスターの間は当面関係ないので、とりあえず記憶に留めておく程度で問題ありません。

なのでこの時間割の授業を全て履修すると週14コマ、29単位取ることになります。

東大の科目区分

東大の前期教養学部には大まかに分けて4つの科目区分があります。
基礎科目・総合科目・主題科目・展開科目
の4つです。

この中でも新入生の皆さんに関係するのは基礎科目・総合科目の2つです。
主題科目・展開科目は今のところ(1Sでは)そこまで重要ではないのでほっといていいです。

文科生では基礎科目も2つに分かれます。
必修と呼ばれる「外国語・情報・身体運動健康科学実習・初年次ゼミナール」と
準必修と呼ばれる「社会科学・人文科学」の二区分です。
理科生では基礎科目には必修科目しかありません。「準必修」は総合科目の一種となり、しかも特別な意味は持ちません。言うなれば「東大教養学部おすすめの総合科目」みたいなものです。履修する必要はありません。もちろん履修しても問題ありません。

また、総合科目は3つに分けることができます。
文科生ではL系列、A-C系列、D-F系列の3つ、理科生ではL系列、A-D系列、E, F系列の3つです。
総合科目とは一般教養のようなもので様々な分野の科目が目白押しです。この系列はその分野ごとに分けられています。L系列は外国語を中心とする言語系、A系列からF系列では「A, B, .... , Fの順に、人文系→社会系→自然科学系」というように科目がグラデーションになるようカテゴライズされています。このため文系・理系関わらず様々な授業をとることが出来るわけで、これが東大のウリになっている理由です。

ただ少し厄介な注意点があります。それはL系列の授業には必修となる科目が混ざっているということです。これを次に説明していきます。また、以下の必修科目と準必修科目に関する説明では文科生と理科生での違いが出てくるので、章を分けて解説します。

文科

必修科目

それでは必修科目を紹介していきます。必修とは字義通り
必ず修めるべき科目
のことです。言いかえれば、絶対取んなければならない授業のことです。

東京大学前期教養学部における必修科目は基本的に上述した基礎科目の必修と同じです。しかし一部、総合科目L系列に区分される科目が混ざり込んでいます。さてどれがそれなのかわかるでしょうか。
以下、必修科目一覧です。

・既修外国語(基本的に英語。インタークラスの人の既修外国語は異なる)
 該当科目名
-英語一列①、英語一列②、英語二列W( ALESAを指す)、英語二列S(FLOW)、英語中級
・初修外国語(いわゆる二外)
 該当科目名
-〇語一列①、〇語一列②、〇語二列、〇語初級演習①、〇語初級演習②
・情報
・身体運動健康科学実習(通称スポ身)
・初年次ゼミナール(通称初ゼミ)

こうしてみると必修が多いですね。答えですがL系列に区分される科目は
英語中級・〇語初級演習①・〇語初級演習②
の三つです。なのでこれらは総合科目にも関わらず必修扱いになっているトクベツな科目なのです。 

1Sは必修科目が最も多い学期になります。
英語一列①、英語二列、英語中級、〇語一列①、〇語二列、〇語初級演習①、情報、スポ身、初ゼミ
は1Sで履修することになります。だから1Sは一番忙しいです。頑張って下さい。

ちなみに、「一列、二列」というのは高校でいう
「コミュニケーション英語、英語表現」
みたいな分け方と大体同じで別にどっちの方が上質だとかそいいう意味合いは全くないです。ただこの呼称はインパクトが大きいみたいで、何か不得手なことを揶揄する際「恋愛一列を履修してない」とか「ツイッター一列なら優上くるのに」などと一部の東大生の間でつかわれています。

準必修

さてさて、準必修に関して説明していきましょう。
準必修は基礎科目の中でも「社会科学・人文科学」のことを指します。
準必修とはなんとも分かりづらい日本語ですが、言い換えると選択必修ということです。すなわち、準必修に指定されている科目の中からいくつかは必ず取らなければならない、というわけです。
ただ、ここにも注意点があってそれは
「文科一・二類生と文科三類生では意味合いが異なる」
ということです。

準必修は社会科学と人文科学に分けられていてその内容も名の通りです。
社会科学には「法Ⅰ・Ⅱ、経済Ⅰ・Ⅱ・政治Ⅰ・Ⅱ、社会Ⅰ・Ⅱ、数学Ⅰ・Ⅱ」の10個の科目が
人文科学には「哲学Ⅰ・Ⅱ、倫理Ⅰ・Ⅱ、歴史Ⅰ・Ⅱ、心理Ⅰ・Ⅱ、ことばと文学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ」の12個の科目が用意されています。 

ここで社会科学において文科一類生には「法Ⅰ・Ⅱまたは政治Ⅰ・Ⅱのどっちか二つを取らなければならない」、文科二類生には「経済Ⅰ・Ⅱと数学Ⅰ・Ⅱの4つの中から二つを取らなければならない」という縛りがあります。
対して文科三類生は特に縛りはなく自由に履修することが出来るわけです。また文科三類だけ準必修の最低取得単位数が少ないのも特徴です。

ちなみに準必修の科目は開講数が少ないので単位を落としたり逃すと意外と後々にひびきます。またなぜか1限や5限に開講される授業が多めなので眠かったり疲れてる時に授業があっていやーな気持ちになることもあります、、、。

理科

必修科目

・既修外国語(基本的に英語。インタークラスの人の既修外国語は異なる)
 該当科目名
-英語一列①、英語一列②、英語二列W(ALESSを指す)、英語二列S(FLOW)、英語中級
・初修外国語(いわゆる二外)
 該当科目名
-〇語一列①、〇語一列②、〇語二列
・基礎実験
-理1では基礎物理学実験+基礎化学実験or基礎物理学実験+基礎化学実験+基礎生命科学実験の選択、理2, 3では必ず基礎物理学実験+基礎化学実験+基礎生命科学実験
・数理科学
-数理科学基礎、微分積分学①、微分積分学②、線形代数学①、線形代数学②、微分積分学演習、線形代数学演習(理1のみこれらに加えて数理科学基礎演習、数学基礎理論演習が必修。理2, 3ではこれら2つの科目が任意履修)
・物質科学
-力学、電磁気学、熱力学(理1)or化学熱力学(理2, 3)、構造化学、物性化学
・生命科学
-理1は生命科学(1単位)、理2, 3は生命科学Ⅰ, 生命科学Ⅱ(2科目4単位)
・情報
・身体運動健康科学実習(通称スポ身)
・初年次ゼミナール(通称初ゼミ)

理1と理2, 3で少し違いがありますが、それに注意すればそこまで難しいことはないと思います。再度言っておきますが、理科生は準必修科目を履修する必要がありません。準必修には「おすすめされている総合科目」という意味合いしかありません。

総合科目

総合科目の説明です。ここから再度文理の説明が合流しますよ!
総合科目はすでに述べたとおり一般教養の叩き売りみたいなもので、色々な授業がそろってます。名物授業とか有名な授業も大体この総合科目含まれていて、最近ではジェンダー論や現代経済理論といった授業が人気です。特に現代経済理論に関しては本になってたりしてますね。

文科生にとって、総合科目は言語のL系列と文系のA-C系列、理系のD-F系列に分かれています。理科生にとってはこの分類がL系列、A-D系列、EF系列 の三分類になります。履修する授業自体に違いはありません(ほとんどの場合同じ講義を文系理系ごちゃ混ぜになって履修する)が、文理で総合科目のグルーピングの仕方が違うと言えば伝わるでしょうか。それぞれの系列にどんな気色があるのかというと
L系列ー言語(メジャーからマイナーまで。20言語くらいある)
A系列ー思想・芸術(言語・哲学・文化論)
B系列ー国際・地域(国際関係・歴史とか)
C系列ー社会・制度(社会科学寄り)
D系列ー人間・環境(学際分野。認知科学や工学概論のような授業もここ)
E系列ー物質・生命(物理化学生物地学あたり)
F系列ー数理・情報(数学とかプログラミングとか。ガチ理系)
といった感じで興味のある分野の授業が取り放題です。

これら文科生はL系列、A-C系列、D-F系列から、理科生はL系列、A-D系列、EF系列から、それぞれ最低取得単位数以上の単位をとっていく必要があります。

文科生に関しては、ここにも文科一・二類生と文科三類生で違いがあります。
一つは文科一・二類生はL系列、A-C系列、D-F系列の3つに分かれていてそれぞれに最低取得単位数がありますが文科三類だけはL・A-C系列、D-F系列と2つに分かれている点です。言い換えると文科三類では言語が重要視されていることになります。
二つ目は、なぜか文科三類だけD-F系列の最低取得単位数が多い点です。このため文科三類の学生の中にはD-F系列を埋めるために必死で楽単を探す人もいるらしいです。

理科類の間で総合科目に関する違いは存在しません。

おわりに

さていかがだったでしょうか。
分かりやすく書いたつもりですがやはり複雑になってしまいました。しかしながら、実はこれらはまだ基本にすぎず、他にも重要な点や履修を組む上で注意すべきことはあります。それらをまとめたnoteもありますので是非ご覧になって下さい。

最後になりましたが、新入生の皆さんこれからの大学生活楽しんでください!!
では!


UTFRは、東大合格者がほぼ排出されない学校から東大に進学した現役東大生の集団です。
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