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線香のくゆるけむりの行く先のように

うちは庭の蚊がすごいので、レッスンの前には蚊取り線香を2つ玄関先と室内に灯します。今日も、マッチを擦って準備してはじまりはじまり。

今日は休日だったのか、お父さんのお見送りでやってきた生徒さん。

手紙を持ってきてくれました。

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でへへ。

お父さんが玄関から顔を突っ込んで、お子さんが注意深く音を聞き取ってはピアノで弾いたりするので、びっくりする、とおっしゃっていただきました。音楽室で何してるの?と尋ねても、大したことはしてなさそうなのに、っと。思わず笑ってしまった。そのとおりすぎて。というか、お父さんのその観察がうれしいしありがたかったです。こんな超のんびりペースの音楽教室でも信頼して任せていただいていて、ほんと、良い環境にお子さんはおられます。

コンサート聞いていただきました?年上の子たち、みんなじょうずだったでしょう?とおききしたら、ほんと上手だったですねえ、と。

あの子達も、お子さんとおんなじ。小さい頃からガツガツ練習する子たちではないけど、それなりちゃんと音楽になっている。わからないことを練習させるのは嫌なので、ちゃんとわかってから練習を促すようにしています。

などと。

ちゃんと話をきいてくださって、ご家庭での暮らしの中で、子どもたちがまなび遊ぶ音楽の余白をお父様が驚きを持って育み、きちんと生み出して頂いてる様子がみに浮かぶようで、本当に感謝。美しいなあと思います。

その生徒さんも今日は随分と音楽のいろいろがつながってきていて自然な成長を感じました。

その次に来た女の子は、いつもレッスンの前に、待ちきれない様子で、その小さな両手で、即興の演奏を奏でてくれます。ドレミとかはそこにはなくて、本当にふれたままの音がなります。その子は音を聞くのが大好きなので、それは自然響きのよい優しい音になります。こちらが癒やされる。子供の音。いいもんです。おねえちゃんはその間にいつもすばらしい絵を描いて待っています。こんな子たちのこんな遊びがリビングで繰り広げられていたら、ご家庭も幸せやろうなあと思います。

そういえば、コンサート以来ストリートピアノに興味をもちだした、と生徒さんのお母さんからのライン。ああ、あの目覚めのコラールなら、きっとみんなに喜んでもらえるね。

子供さんが音楽を学ぶことで、暮らしに波紋が広がって、なにかよい音になって流れていく。子どもたちはさながらミンネジンガーだ。音楽の伝道師たちだ。

ちょうど、今焚き始めた線香の煙がくるりながらうすく空気の中に広がっていくように、音に限らない「音楽」が暮らしに浸透していく。

大人の耳も息を吹き返すやろう。何より私が癒やされ続けてる気がします。

などと、しっぽりするのもつかの間。そうやった。

コンサートのあと、いいことなかりではなくて、コンサートの曲にかまけていて、音符が読めなくなっている子もいて、ううう。
また、積み上げればよいかー。あわてないあわてない。





愛媛の片田舎でがんばってます。いつかまた、東京やどこかの街でワークショップできる日のために、とっておきます。その日が楽しみです!