3分で読める!UTECストーリー要約① ACSL~“生き物”のようなドローンで人口減少時代の社会を支える~
❝『わかった。いくよ』と自然と即答しました。信頼している人から『向いている』と言われたら、断る理由がないでしょう?❞
❝ 週に4日は本社に来てくれて、二人三脚での経営でした。まさにハンズオンでしたね。❞
はじめまして!
UTECでRAをしている、東京大学工学系研究科修士1年の野間円(のままどか)です。
UTECのnoteでは、UTECのベンチャー投資に関する有益な情報を発信していきます。
この記事ではUTECストーリー要約シリーズ 第1弾 をお届けします。
ボリューミーな本編を凝縮し、3分で読めるようにしました!
今回は、株式会社自律制御システム研究所(ACSL) 代表取締役社長の太田裕朗氏による、ドローンがつくる未来とUTECのサポートについてです。
本編はこちらから。
株式会社自律制御システム研究所(ACSL)
(UTEC担当者:山本哲也・坂本教晃)
モデルベースの先端飛行制御、画像処理(目)による環境認識をもったナビゲーション機能などの高度なアルゴリズムを用いた自律制御システムを開発、そしてそれを搭載するドローンの最終製品の形で提供する。
2018年12月21日、東京証券取引所マザーズ市場に上場。
太田裕朗氏(ACSL代表取締役、現会長)
34歳までアカデミアの世界で過ごし、その後マッキンゼー・アンド・カンパニーでビジネスの腕を磨く。シリーズAでCOO/代表取締役としてACSLに参画。
1. Introduction~ドローンの会社だとは思っていない~
ドローンのメーカーであるACSL。注目したいのはハードウェアではなくソフトウェア、つまりドローンを動かす頭脳の技術。
従来の自律飛行に必要とされるGPSすら要しない、完全自律飛行では、センサー、特に目の機能=画像処理で周囲の空間を認識して、ソフトで判断しながら飛行する。
「いわば目と脳みそがついた生き物のように、自分で考えて飛ぶことができるドローンです。コスト削減や人手不足の解消につながり、人がもっと有益で新しいことに集中できる社会の実現を目指すという意味で、私自身はACSLをドローンの会社だとは思っていません。」
2. UTECのハンズオン支援
2.1. UTEC経由での参画:信頼する人からのオファーだから引き受けた
千葉大発ベンチャーであるACSLは、創業当初はアカデミアの色が濃く、経営ノウハウを持った人材は不在だった。
「ドローン産業の活発化のなかで、本物のコア技術を持っていた弊社に目をつけたのは、さすがディープテックに強いVCという気がします。」
投資担当者であったUTEC坂本教晃は、かつてマッキンゼー同期であった太田裕朗氏をアカデミアxビジネス人材として紹介した。
「熱意をもって誘われたとき、事業の詳細をまだ把握できていなかったのですが、『わかった。いくよ』と自然と即答しました。信頼している人から『向いている』と言われたら、断る理由がないでしょう?」
2.2. 課題解決:UTECによる有形無形のサポート
当初は研究室そのままに近い会社で、未整備のものが多かった。機体製品は一応あるものの、権利関係、ソフトのデバッグ、設計情報の明文化、サプライヤーマネジメントなども未整理。
調達した7億円のほとんどを使って機体を作り直した。
「社外取締役のUTEC山本さんはオクスフォード大の物理学部物理学科の出身で、とても話が合いました。週に4日は千葉のACSL本社に来てくれて、二人三脚での経営でした。
事業サイドに踏み込むためには理論の理解も必要でしたが、山本さんは一緒に勉強してくれて、他の大学の研究室に2人で話を聞きに行ってくれたりもしました。まさにハンズオンでしたね。
私にアカデミアとビシネスのバックグラウンドがあるとは言っても、経営能力は穴だらけです。坂本さんも山本さんも引き出しが豊富で、相談すると、プロフェッショナルをアレンジするなどして武器を与えてくれました。」
太田氏の参画から2年後、ACSLはシリーズBの資金調達を行った。
「資金調達については特に心強かったです。UTECが持つ投資家のネットワークのおかげで適切なタイミングで資金調達して、研究開発を続けることができました。」
3. 「大きな絵を描いて経営判断する」という学び
直接的に役立つ人や組織だけでなく、UTECメンバーやUTECのイベントで知り合った起業家たちからも刺激を受けたそう。
「私はもともと学者ですから、社長を務めるいまも、経営者というより職人たちを束ねる大工の棟梁に近い感覚で経営にあたっています。ただ、そもそも私には大工の棟梁的な経験すらなかった。
その点でUTECのイベントなどで先輩たちから学んだことは、私のメンタリティやマインドセットを形成するうえで非常に役に立っています。
マインド面では、UTEC代表取締役社長の郷治友孝さんからの学びも大きかったです。あるとき『それは徳のある判断なのか』と問われたんです。そしていつも『もっと長期的な視点で考えてほしい。10年後も大きくなっている産業を目指して』と叱咤激励されました。
UTECの支えと激励があって、大きな絵を描いて判断することを心がけています。IPOがスタート地点であると思っていますし、さらなる成長を目指しています。」
4. 今とこれから:いまはベンチャーの大航海時代
太田氏に託された役割の一つは、優秀な人材をスカウトして組織の体制をつくることだった。
参画2年目には、現在のCOO、CTO、CFOを外部から招へい。
IPOを目指す体制が整い、2018年12月に東証マザーズに上場。
「当初はUTECはハンズオンで手厚く支援してくれましたが、現在のCxO4名が揃って技術の方向性も固まったタイミングで適度な距離感を保ってくれるようになったのです。これは組織の成長に必要なことで、IPOを視野に入れ、様子を見ながら私たちを自立させようとしていたのでしょう。」
太田氏は、ACSLをインドを目指して航海したコロンブス、UTECはコロンブスを支援したスペインのイザベル女王に例える。
「イザベル女王が沈没のリスクを取ってコロンブスに資金援助したことによってコロンブスが期せずして新大陸を発見したように、私たちもUTECの支援を受けて当初の事業戦略にこだわらずにソフトウェアに注力したことで、業界のフロンティアを開拓することができました。
UTECには、これからもフロンティア精神を持つシード段階のスタートアップへの積極的な投資を通じ、新大陸発見の手伝いをしてもらえればいいなと思います。」
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