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細美さんのラジオがきっかけの「This too will pass」


とあるラジオの切り抜きで、細美武士さんがリスナーからのお悩み相談にこんなことを言っていた。

「すごく好きな言葉があって、それが"This too will pass"。これもまた過ぎ去るって意味なんだけど、波が寄せては返すように、辛いことや悲しいことがあっても、それは一時的なものに過ぎなくて、これもまた波が引いていくように過ぎ去っていくんだなと考えれば、今よりもきっとラクになるんじゃないかな。また必ず良いことが訪れるよ。」

おそらく、こんな内容だったと思う。

なぜかこれを聴いた当時、心に残っていて"This too will pass"という単語だけメモしていた。

今これを語っているラジオを探しても全然見つけられず、正直このリスナーがどんな相談をしていたのか、細美さんがこのような言い方をしていたのかは曖昧だ。

もしこれを語っているラジオを見つけた人がいたら、ぜひ教えてほしい。


1st Album「𝘙𝘦𝘷𝘦𝘳𝘴𝘦 𝘉𝘭𝘶𝘦」の5曲目に収録されている「This too will pass」は、まさにこの言葉がそのまま曲名になり制作がスタートした。


この曲は、おそらく2023年の頭にはすでにDemoが出来上がり、2月頃にはメンバーに共有していたような気がする。


2022〜2023年のジルマはTHE 1975を中心とした海外のポップスを聴き漁り、ポップス独特の軽快さや包まれるような心地よさの虜になっていた。

ANX,Hotel Apache,VICTORS,The Catalina,Hardcastle,Pink Roses,THE WLDLFE,LAVE,BANNERS,Leland Blue,The Band CAMINO,yin,Heart Of Gold,LANY,The True Blue,Honesty,The Millennial Club・・・

挙げるとキリがないのでこの辺にするが、
狂ったように聴いていたと思う。

これらの要素をすべて濃縮した楽曲というわけではないが、これらを聴いてなければここまでポップ寄りの曲は作っていなかっただろう。

ただ、完全に寄せるつもりはなく、そういった曲を参考にしつつ日本用にチューニングしたかったため、Wurtsの楽曲なんかも聴きながら歌詞を考えて今のようなカタチになった。

いまあるCLOVERS HIGHの楽曲の中で、最も語呂や語感の気持ちよさを追求したかつ、タイトルを連呼している作品だと思う。

実は転調するのも初めてかもしれない。



他にもこだわった点は、コーラスワークだ。

ジルマはこのコーラスを、この曲のみならず作曲においてかなり重要視している。

自分が好きになる曲の共通点がコーラスがふんだんに使われていることだったからだ。

将来子供ができて合唱コンクールや卒業式で数十人単位のハモリを聴いたら泣いちゃう自信がある。


この曲ではそんなコーラスワークを、特にサビ前のBメロパートで、表現できたと思っている。

Bメロが一番好きまである。

1番と2番ではコーラスの数を変えており、2番では高音域も足された印象的なものになっているので、改めて聴いてみてほしい。



歌詞は10年ほど前に失恋した先輩への恋心をテーマにしている。

この先輩との恋は、ジルマの恋の中でもかなり大きなもので、たびたび曲のテーマになっている。

7曲目の「Snows in April」はその集大成となる楽曲なのだが、それはまた別記事で書くつもりだ。


どこまでも純度が高く、忘れられない青い恋だった。

いまはもう心の整理がついて精算されたが、正直10年間くらいは引きづっていた長くてしつこい感情だったと思う。


絶対に叶わない恋は必ずある。

辛くて悲しいけど、それでもこれもまた過ぎ去って、前を向いていけると願って創った曲だ。

もし10年とは言わず、忘れられない人がいる人には聴いてほしいというか、共感してほしいなと思っている。


ノれるけど、どこか寂しくて儚い。

一見矛盾しているようなこの組み合わせが人生っぽくて好きだ。

あの時だけの""をこれからも歌おう。


𝘊𝘓𝘖𝘝𝘌𝘙𝘚 𝘏𝘐𝘎𝘏

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