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【詩】桜の牢獄

ひとりでも歩いていける
桜並木を歩けば花びらが降る
薄紅色が染めていく
視界をさえぎるように降ってくる

ひとりでも歩いていこう
桜並木を歩いていこう
花びらが降るなか歩いていこう
薄紅色のトンネルがどこまでも続く

ひとりでも歩ける
どこまでも続く薄紅色のトンネル
終わりが見えない花びらの降る場所
途切れることなく降り続ける

ひとりでも歩いていけるかい?
いつまでもいつまでも降り続ける花びら
どこまでもどこまでも続く薄紅色のトンネル
途方に暮れて足を止めた

降り続ける花びら
終わらないトンネル
願ったのは永遠
願ったはずの永遠

ひとりでは抜けられない
そう思ったとたん
力強く手を握られた
ぐんっと引っぱられる

終わりにしよう
終わりにしよう
ひとりは終わりにしよう
たとえここがどれほど美しい場所でも

あなたを閉じ込める牢獄になってしまうから




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