【詩】静止した時間
とまったように動かない
そんな時期がある
今まで吹いていた風がふっとやんで
穏やかな波を見ている
まるで風景がだ
まるで写真だ
波は揺れても大きく船を動かさない
風が期待できないなら
自分でこぐしかない
風が吹かない
ちっとも先に進んだよう気がしない
こいでもこいでも水平線を眺めるばかり
帆はたれて
くたびれたようになびく
自分でこいだ分だけ船が動く
緩やかな波
静かな空気
晴れわたる空
頬をかすめて飛んで行く海鳥
透き通った海水
魚が泳ぎ回る
時間がとまったような
静けさのただよう場所をひたすらこぐ
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