【詩】涼しい場所
涼しさを求めて歩いていたら
涼しい場所に密集している人たちをみかけた
いつもなら涼しい場所はちっとも涼しくない
頭をふりふり涼しい場所を探してる
大きな黒い影があったから
やったとばかりに飛び込んだ
ちょうどよい黒い影
ここは自分ひとりらしい
うちわがないから手でぱたぱた仰ぐ
「ああ、涼しい」
「それはよかった」
背後で誰かがこたえた
びっくりおどろきふりむくと
大きなぬりかべにたりと笑う
「お役に立ててうれしいです」
大声あげて影から飛び出した
「なんで、真昼間から妖怪がいるんだよ!」
「ひーとーだーすーけーです」
地面の下から響くような声にすっかり震えあがって
炎天下の中を走った
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