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【詩】虹の橋は冒険のはじまり

はしれ、はしれ

こちらからあちらへ

とどけ、とどけ

こちらからあちらへ

時間は短い

雲で見えなくなってしまわぬうちに

瞬く間に過ぎていく

虹の橋が消えてしまわぬうちに

今しか行けない

この瞬間しか届けられない

虹がつくる橋

こちらからあちらへ

普段は見えぬ世界が浮かぶ

誰も知らない

僕だけが知っている

不思議な世界

はしれ、はしれ

誰も知らない世界

持ち物なんか何もない

あるのはポケットの中のガムとキャンディ

風船の残りと石ころだけ

あとは、おもちゃ箱のカギがひとつ

他には何もない

冒険は待ってくれない

準備をしてる時間はない

いつだって、とつぜんに

知らない世界が開かれる

誰かに声をかけてるよゆうはない

いってきますもさよならも

誰も聞くひとはいない

ただ、小さな子猫がついてきた

近所に住むリリーだ

飼い猫じゃない

なのに、赤の首輪に金の鈴

チリチリ鳴らして走っていく

生意気にも僕の前を走ってく

白い毛並みに首輪の鈴と同じ金の瞳

にゃあ

立ち止まって振り向いた

早くしないと消えるわよ

子猫がしゃべったような気がした

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