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【詩】暗き底へいく旅の途中

深く深くもぐっていこう

薄い青から

濃い青

ゆっくりと青みがなくなり

もぐればもぐるほど

暗い色が目の前をふさぐ

もう手探りでもぐるしかなく

肌をつつく魚がいて

やっと自分は存在しているのだと知る

底には何があるのだろう

底にはたどり着けるのだろうか

そこにたどり着いた後はどうしよう

またお日さまのもとへ戻っていくのだろうか

それとも暗い底で絶えず歌う人魚と手を取り合って

そのままもぐったままでいようか

まだ何も見えない

まだ何にも出会わない

どこまでもどこまでも

もぐっていこうとする道の途中だ

誰かに出会うことなく

誰かと話すことなく

何かを見つけることのない

心細い旅の途中だ

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