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【詩】雨乞い

しとしと雨ふる公園で

くるくるまわる傘がひとつ

桃色の傘はしぶきをとばす

傘にとりついた雨の子ちらす

大雲ちっとも動かない

お天道様はまだかしら

桃色の傘くいっとあげて

雲の向こうに心をとばす

がしゃんと光が桃色てらす

走った光はすぐさま消える

ごろごろがしゃん

がらがっしゃん

桃色くるくるまわしてる

お天道様はまだかいな

真っ黒な雲はいずこへ向かう

桃色の傘から遠のいて

雨の子またねとわらってる

桃色くるくるまわってる

雲がぱっかりわれたなら

やわらかい光が地をてらす

ばしゃんとしぶきをあげる水たまり

そこにいるのは大きな犬

雨がやむのを待ちきれず

飼い主どこかに置いてきた

たったかたったか走る犬

綱をもった飼い主も

たったかたったか追いかける

雨上がりの公園に

犬と飼い主追いかけっこ

桃色の傘はどこにもいない

広い広い公園で

犬は飼い主につかまって一緒に転がり遊んでる


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