さくらさくら、空と大地がはんたいになる

近所の桜は盛りを過ぎてあとは散るばかりとなりました。散り始めた桜の花びらが大地をおおい、薄紅色のじゅうたんを広げています。

最初は薄かったじゅうたんも、だんだんと厚みをましじゅうたんを踏めば足が沈みそうです。踏んでしまうのはもったいないので、できるだけ避けて通っています。

仰ぎ見れば薄紅色の空、桜並木の遠くを見やれば薄紅色の靄、下に視線を向ければ薄紅色のじゅうたんです。

さらに頬にあたるのは、散ったばかりのやわらかい花びら。お花見をするのは難しい時期ですので、贅沢だな~と思います。

散れば散るほど厚みをますじゅうたんと、散れば散るほど薄くなっていく頭上の薄紅色に、新緑の若葉がまじるようになりました。

散ってしまう寂しさと新しい季節を喜ぶ緑に色彩は、通り過ぎていく春を寂しく思う沈みがちな心を盛り上げてくれます。

春の嵐はあったものの、お天気に恵まれた日が多く、すっかり春を満喫させてもらいました。ここの桜並木のまわりに住む方たちもきっと同じだったでしょう。

家族が、桜の木を背景に、動画を撮っている方たちを見かけたそうです。音楽はラップだったようですが、動画撮影に出くわすのは初めてだと笑っていました。

薄紅色のじゅうたん、降りしきる桜の花びら、まだ盛りを迎えたばかりの桜の木がまじっているので、木の枝が寂しいということはありません。ロケーションとしては最高でしょうね。

これからどんどん、同じような考えをもった方が現れて、動画を撮影するようになるかもしれません。

多くの人に喜ばれて地元住民として嬉しいです。

ただ、桜並木の下に川や池はありません。水面に浮かぶ花は見れませんが、きっときれいでしょうね。

新聞やテレビに映る、桜の木の下を流れる川を見てみたいなと思ってしまいました。


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