【詩】悪魔の取引
私めをお呼びでしょうか
誰も呼んでいないと
何てつれないことを仰るのでしょう
ご主人様
私めは貴方の召使い
貴方の奴隷にございます
こうして縁が結べましたこと最上の喜び
貴方の望む願いをすべて叶えたく思っていますのに
え?悪魔とは取引をしない?
最後は魂を取るつもりだろうですって
そんなことは致しません
ご主人様の魂を頂くなど
この奴隷ごときが望んで良いわけないでしょう
古今東西どれほどの人間が失敗してきたか
その中で学んだ人間にどれほど痛い目に合わされてきたか
我々とて無傷で済んだわけではございません
そうですね
ほんの少しだけ魂の欠片を頂ければ良いのです
やはり魂をとるのだろうですって
人聞きの悪いことを仰る
私が頂くのは金額にすればほんの1円ほどのもの
お客様の魂がそれで消えてなくなるものではございません
それで永き深きご縁が結べますのなら
お客様の極小で極上の魂
私めは十分でございます
さてどんな願いを叶えましょうか
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