【詩】伝える雲
こーんにちはー!
こんにちはと声をかけたら大きな声が返ってきた
声をかけたとき
にっこり笑顔はわかったけれど
まだ形のない白い霧のようなものだった
こーんにちはー!と返事をした声が小さな雲に形を変えた
真っ白でふかふかで
焼きたてのパンみたいでやわらかそう
もくもくとした雲は小さいけれど真っ青な空で白く輝く
今にも走り出しそうな雲の横におっとりとした優しい顔立ちの神様がいた
走り回る白い雲のそばに付き従って困ったことが起こらないよう助けてくれるらしい
のっかったらふかふかして気持ちよさそうな雲は私のそばに寄ってくる
それからふんふんと私の話を聞いて思いっきりよく飛び出していった
神様は私におっとり笑うとそのまま雲のあとをついていく
元気で小さな雲はいろんな場所に行く
いろんな場所に行って私がこそっとした話を誰かに伝えに行くのだ
どこに行くんだろう
誰に会いに行くんだろう
それは私にも分からない
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