【詩】静かな場所での静かなごはん
誰もいない
本当だ誰もいない
いつもなら人がいる
そうだね、満席のときもある
それが今日はすっからかんだ
さみしいような
空気が澄んでいるような
妙な気分だ
ごはんを食べる間も誰も来ない
響く空調の音
食器の音
屋外でざわめく雑踏
いつもは気にならない音楽
気持ちが和らぐクラシック
空間が静かにざわめいている
お客を迎えて面白そうにうかがっている
ごはんを食べてデザートに飲み物
思い切ってした贅沢
デザートはかぼちゃプリンとタルトタタン、それから果物のタルトかな
果物の名前は忘れてしまった
甘すぎないデザートはどれもこれもミニサイズ
熱い紅茶もいつかは冷める
最後のデザートを口に入れたころ
やっと新しいお客が入ってきた
空間の興味と好奇心がそちらに移っていく
そろそろ行かないとね
そうだね
もう帰るだけのお客に小さく手を振って微笑んでいた
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