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初めて一人暮らしをした時のこと②

前回のつづきです。

会社を辞めた私は寮を出なければなりません。
家族が解散した家庭(いずれこのことについても書きたいです)だったので、戻る家もなく途方にくれた私は、一人暮らしをしている姉のところに一時期居候させてもらいました。

しかし、当時付きあっていた恋人に振られ、生活も荒れて起きる時間も不規則になったため、姉の生活リズムと合わなくなり1ヶ月で出て行くことに。

気持ちを新たにやっていくことを決意し、家探しを始めます。

その頃はまだインターネットがそれほど普及しておらず、賃貸物件は雑誌を買うか不動産屋に張ってあるチラシを見るのががメジャーでした。

雑誌のいい物件はほとんど存在していない、とは聞いていましたがその通りで、私が気に入った物件はやはりなく、その同じくらいの予算で2つほど物件を紹介してもらいました。

安い物件のせいか、案内はなく自分で電車に乗って見にいくことになりました。

一件目は都心まで電車込みで30分ほどのところ。
レトロな街並みで、商店街も多く生活には便利そうな駅から徒歩7分の物件です。通り沿いにある古びたマンションでした。鍵は借りていたので入って見ました。


第一声、「えっ!せまっ!」とツッコミが入るほどでした。
三畳位のその部屋の広さに驚きましたが、上にはロフトがついていました。

湿気も多くジメジメしていたためすぐに「これは違う、」と感じて次の物件にまた電車で移動しました。

都心からもっと離れた郊外で、先ほどの駅より人も少なくのんびりとしていた駅です。

駅から7分位のその物件は、さっき見たマンションより新しく築15年位。人通りもありコンビニも目と鼻の先にあり便利そう。裏にお墓があることで家賃も安くなっているのがわかりました。

優しい雰囲気の年配の女性の管理人が、鍵を持ってマンションを案内してくれて部屋の中を見せてもらいました。6畳ほどで、ユニットバスですが玄関から部屋は見えないので女性には良さそうでした。

ちょうど夕方で小さいベランダのドア(窓でない造り)を開けながら
「この部屋はねぇ、眺めがいいのよ~」と夕焼けを眺めながら言いました。
その後ろ姿の落ち着いている佇まいが美しかったのと、日当たり良好、3階だったこともありこの物件に即決しました。

私が一人暮らしをする上でこれだけは譲れない、という条件は

1.防犯上、3階以上の高さ
2.予算内であること
3.スーパーと駅まで徒歩で15分以内
4.落ち着いた環境

で、それと一致したので2件しか見ていませんでしたが決定しました。

もしかしたら、1件目でギョッとさせて部屋に対するハードルが下がり、2件目に普通の物件を見せる、という不動産屋の手だったのかもしれません。

その後、この管理人さんとは適度な距離感で過ごしていましたが、時々会うと
「あなた、きれいになったわね」とか
「今、恋をしているでしょう?」と、近所のおばちゃんのような声かけもありました。
年頃だったのもあり、見守ってくれていたのだと思います。

管理人さんはエントランスに一輪挿しを飾ったり、穏やかに挨拶してくれていたので、住民は一人暮らしの人がほとんどでしたが、トラブルもほとんどなく住民同士も揉めることもありませんでした。

今わかるのは、このマンションの価値を上げていたのは、この管理人さんだったのだと思います。

大きな公園が近くにあって、当時キツツキ(アカゲラ)、やカッコウもすんでいたその土地で、新しい仕事も始め、私は落ち着いた暮らしができるようになりました。

人生を変えたい。

今の環境から抜け出したい。

と思っているとき、それが可能な環境なら引っ越しをしてみるのも一つの手段じゃないかと思います。

何かに挑戦したり、
必要にせまられてやることが増えて無我夢中になることでいつのまにか、
新しい自分になれるのかもしれないですね。

新生活を送るみなさま、応援しております。

読んでくださりありがとうございました。







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