暮らしという器をつくる―『西村邸』のこと

こんばんは。さっきまで仕事のメンバーと飲んでいた酔いが、少しずつ覚めてきました。今日は、いいデザイン、いい工芸品を迎えられる、環境づくりのお手伝いがしたいなという話です。

日曜に東京に行ったとき、赤坂にある【伝統工芸 青山スクエア】に寄りました。「 一般財団法人 伝統的工芸品産業振興協会」というところがやっている、全国各地の伝統的工芸品を集めたギャラリー&ショップ、とのことです。本当にいろいろなジャンルの伝統工芸品がありました。

ちょっと余談ですが、数ある工芸品の中で、一番ぼくに刺さるのは、なんといっても樺皮細工です。

わかりますかね?(写真探せればよかったんですけど…。) 桜の木の皮の表面をつるんとさせて、小さいものなら耳かきなんかから、茶筒とか、大きいと箪笥なんかに巻いたやつです。すごくないですか!?薄くて加工しにくそうなごつごつした木の皮が、あんなにつるんとしてしまうの。マジ卍。
どこで誰のものを見てもほぼ無条件に「ほえ~たまらんな~!」とうっとりしてしまいます。たぶん樺皮細工だけ、うっとりのハードルがものすごい低い笑 

青山スクエアにもあって、案の定「ほえ~」しました。
ただ、この個人的な趣味を置いておけば、あとはぶっちゃけ「いやまぁ、ここにこれだけ置いてあっても…ねぇ?」と思ってしうまうものの方が多い。ぶっちゃけです。

伝統工芸といっても、結局はモノ―生活用品であることはやめられない。何にも使われていない、モノであるだけの壺を見て、「これはマジですばらしい!!」と言えるほど、ぼくはまだ人間ができてないんだと思います。
やっぱりモノなのだから、使ってなんぼ。「用の美」という言葉もります。暮らしの中で傷や手垢がつくことで、モノってかっこよくなっていくやん?という考え方。すみません、本来はもっと深い概念なので、気になる人はググってください笑 ここでもそのうち話せるかもしれません。


ここまで、当事者ではない外側からの視点です。
では、自分が提供する側になったときにどうか、と。素晴らしいものだということを前提にして、決して安くはない工芸品を、生活の中に取り入れてもらうにはどうしたらいい?ということを考えないといけません。ぼくも前職では、伝統工芸品や作家さんの作品を売ったりしていました。やっぱりこのハードルはめちゃくちゃに高い。

単純に値段もありますが、圧倒的に一番多く言われた断り文句は、
「素敵やけど、ウチには置かれへんわぁ笑」
「まず部屋かたづけなあかんねぇ」
でした。

いまの自分の暮らしは、こんな高貴で上品なおしなものはふさわしくありませんわ、恐れ多いですわ、という謎にへりくだった断り方です。
まぁ大概は追及をかわすための口上なのでしょうが、理屈としてはわからなくもありません。雑然としたウチのリビングルームには似つかわしくないだろうな…と感じてしまう感覚は、たしかに理解できます。「まぁ、そう言わず、いっぺん置いてみてください!」とゴリ押すことは、ぼくにはできませんでした。


そんな前職の苦い思い出がフラッシュバックする中で、今回ひとつピンとくることがありました。

「じゃあ、自分が整理収納アドバイザーとして、みなさまのお部屋を高貴で上品なお品物にふさわしい環境に整えて差し上げたらいいんじゃない!?」ということです。

売り言葉に買い言葉で半ば喧嘩じみているので、これそのままで直にビジネスにはならないでしょう。ですが少なくとも、自分の中ではひとつのモチベーションになるなぁと、繋がりました。

大学生の頃から「インテリア」に関心があると自分で思っていたぼくは、家具屋にはじまり、インテリアコーディネーター、空間デザイン、建築、ハウスメーカーなどなど、ちょっとずつ切り口を変えて、「インテリア」と自と分の関わり方を考えてきました。が、結局どれも自分の中ではしっくりこなかった。

いまやっと、整理収納アドバイザー―空間を最適化する、片付けのコンサルタントという立ち位置を見つけることができ、その入り口に立っています。これから先のことはわからないけど、いま自分中では、他のものより圧倒的にしっくり来ている。

そしてさらに、その関心を活かして、同じように価値を高めていくべきだと感じている工芸品の世界に貢献できれば、こんなにいいことはないなぁ、と。伝統工芸品だけに限らず、よい家具やアートなんかもそうかもしれません。こういうものを、もしかしたら自分の生活に取り入れられるかも、取り入れてもいいかも、そう思ってもらうきっかけを作ることが、自分にもできるかもしれない。ひとつ腹に落ちた機会でした。
みなさんも、いいデザインをむかえ入れられる暮らしという器を、ぼくと一緒に作りませんか。


今日はそんな感じです。ちょっと自分の中で気合入りましたよ!という報告でした。

前にも書いた気がしますが、「整理収納アドバイザー」を公に名乗って仕事ができるのは、1級資格を取得してからです。ぼくはまだ2級。先週土曜に、1級の一次試験を受けてきました。それに通っていれば、4月に二次試験。うまくいけば、6月には整理収納アドバイザーになれます。試験の手ごたえは微妙なところ…どうなることやら笑

あ~0時まわってしまった~。文も全体的にバタバタしてすみません。
明日から、更新時間は平常運転に戻ると思います。よければまた、覗きに来てくださいね。おやすみなさい。

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