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クリエイターの顔が見える町―『西村邸』のこと|町のこと②

こんにちは。火曜日、今週2回目ですが、さっそく「町のこと」から若干外れます…笑 昨日参加したミーティングが面白かったので、それにまつわる話をしようと思います。

大阪でコワーキングスペースをやっている方のお誘いで、大阪市の産業振興センターがやっている、MEBIC(メビック)という施設の方にお会いできる集まりに参加してきました。

MEBICは―ぼくも今回初めて知ったのですが―平たく言うと、クリエイターと企業をマッチングさせる施設です。コーディネーターと、フリーランスのクリエイターが所属していて、デザインしてほしい企業の人がそこを訪ねてくるのでマッチングさせる…そんな感じです。
(このブログでは「デザイナー」という言葉を使ってくることが多かったのですが、MEBICさんが「クリエイター」と呼んでらっしゃるので、今回はそれに倣います。)

昨日は所長さんとクリエイターさん7人が来られて、そして反対側はこれまたおもしろいんですが、税理士さんや会計士さん、保険会社の人たちが7人。そしてなぜか、どちらかというとどちらでもないぼく、という…笑
座談会的な感じ(トップの写真は座談会の輪です)で、お互いにまったく知らない、それぞれの業界のことを話したりしました。それこそ先週ここでも話したデザインとアートの違い…からの税理士と公認会計士の違いとか。
で、MEBIC自体がそういう施設ですし、「フリーランスのクリエイターは、どうやって仕事をとってくるのか??」みたいな話も挙がりました。


いまさらですけど、やっぱプロのクリエイターの技術ってすごいなと思います。
ぼくは、歌やってる時もデザインに関わるようになってからも、なにか生み出す技術を磨いてこなかった。自分の中に表現したいものなんてないと思って、興味もなかったんですよね。(最近は「あれ?そんなこともないな?」と思いはじめてブログを書いているのですが。)
どちらかというと、何かを選ぶ、いいものを紹介する、みたいな方が合ってると思っていました。(これもれっきとしたクリエイティブ行為だと、いまは理解してます。念のため。)

「おれは何もつくれないからこそ、いいものをつくれる人に、つくることをやめて欲しくないな。」

デザインの営業をやっているときから、モチベーションの中心はこの感情でした。レストランの仕事もそう。料理人もクリエイターです。

安直ですけど、ミュージシャンとかスポーツ選手が夢をあきらめる話とか、それだけじゃ食ってけないからってバイトしてるドキュメンタリーとか、素人目にも切ないじゃないですか。
自分がその人のつくったものを紹介することで、つくれる人がつくり続けて、それで幸せになってもらう。きちんとつくれる人に、技術とプライド発揮してもらえる環境を整える。これがぼくの仕事だと、いままでずっと考えてきました。


「リノベしてゲストハウスやります。」というと、
『DIYですか!いいですね!!!』という反応されることも多いです。そういう人に
「いえ、地元の建築士さんと大工さんにおねがいしてるんです。」というと、
『えーなんだー。』ってがっかりされます。
実際にゲストハウスやってる方の中には
『いやいや、自分たちで作らない奴はモグリっしょ!』とか、そういうノリでマウントとってくる人もいました…。 (ちなみに奈良県外の方です。 ) ほんとですよ。ゲストハウス界隈ってそういうのある!笑 もちろん金銭的な事情がいちばんのネックだと思うのですが…。

けどやっぱり、ぼくはプロに頼みたい。プロの技術とプライドを信頼している。そしてプライドを持ったプロに仕事を続けて、幸せになって欲しい。だからプロに頼む。
昨日のミーティングで、これからもいろんなことプロに頼みたいな、と改めて思いました。昨日の記事に書いた、地域で背中を押しあう感じ、そこにやっぱりクリエイターの力は不可欠だな、と。ズバリお金回そうってことです。



実は、西村邸のメインテーマに入れるかどうか、最後まで迷っていたキーワードがあって。
「クラフトマンシップ」です。日本語訳すると「職人魂」ですか。デザインとかアートとか工芸とか、料理人とかパティシエとかバリスタとか。あと人力車のお兄ちゃんも。そういうの全部ギュッとしたいな、と思って「クラフトマンシップ」。
奈良は工芸の町ですし、『西村邸』をクラフトマンシップに触れてもらえる起点にしたい。そのメッセージも、「おばあちゃんち」とか「鄙び」「これから」とあわせて、メインテーマに組み込もうと考えていました。

けど、コピーとしてしっくりくるのを組み立てられなくて、何人か見てもらった方にもうまく響かせられなくて、自分でも「盛り込みすぎかな?」と思って、結局外しちゃったんですよね。

やっぱり自分の中では、もう一度そこしっかり持っておかないとな、と、昨日のミーティングで思い直せました。
メインテーマには入れられなかったけど、これからなんらかの形で自分が表現しないとな。そこ妥協したら、それこそ自分のクラフトマンシップ的にダメだな、と笑 クリエイターのみなさん、ごめんなさい。


奈良県の南部―奥大和なんていうふうに呼ばれている山間部エリアがあるんですけど。そっちの方は、積極的にいろんなクリエイターさん受け入れる雰囲気を感じます。
それに比べて北部―奈良市街はまだ保守的というか…いろんな企業やお店があって需要自体はあるはずなのに、イケてるクリエイティブの浸透ぐあいは、まだまだ低いと正直思いますね。正直。デザインよりはアート寄りのクリエイターが多いこともあって、商業側がうまくデザインの仕事を理解できてない感じも…いやこれはマジでエラそうだな、ホントすみません。

アートフェスティバル!っていきなり町中に彫刻出現するみたいなのも悪くはないけど、もっと日常的にクリエイター、デザインとの接点持てる町にしたいですね、奈良町。
実はいまお手伝いしてる他の方の仕事でも、うっすらそんなことやってるので、もうちょっと盛り上げていきます。うん。やりましょう!


そんな感じで、ちょっと強引にまちづくりとも絡めつつ、こんなことも考えています、という話でした。
昨日名刺交換させていただいた皆さんに、お礼と自己紹介がてら、この文章のリンク送ってみます。

明日は、奈良の老舗旅館と、ぼくが好きな映画の話を絡めてする予定です。今日も読んでくださってありがとうございました。

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