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かがみの孤城

今回はおすすめしてもらった本です。面白いよーと言われ、今更感が満載ですが2018年に本屋大賞の大賞を受賞した、辻村深月さんのかがみの孤城を読むことにしました。

不登校という共通点を持つ中学生7人が、光を放つ鏡を通り抜け、とある城に集められました。城にはオオカミさまというちいさな女の子がいて、城のどこかに隠されている鍵を見つけると、願いを一つだけ叶えられると言います。
いよいよ鍵を探す物語が始まります。

7人の子どもたちの学校に行けなくなった理由が、とてもわかりやすく描かれています。さらには中学生ならではの繊細な心、言葉一つ一つの捉え方が丁寧に表現されているので、感情移入せずにはいられません。
たとえば、「不登校の子たち」だとなんだか形式的で冷たい気がします。「学校に行けない子たち」という書き方をすることによって、少し思いやりが感じられます。行かないんじゃなくて、行けない、そんな捉え方もできます。

というように、細かい表現ですが、言葉に優しさを感じることが出来るのです。辻村深月さんの思いやりの文章に意識して読み進めると、あたたかい気持ちになります。

私たちには色々なコミュニティがあります。学校や会社、習い事、サークルなど。今自分がいる環境に苦しんでいる人へ、居場所は1つじゃない、逃げる場所があると教えてくれる本です。
550ページにも及ぶごつめの本ですが、色んな読み方が出来て楽しいです。
主人公の気持ちになって読んだり、文章の表現に注目して読んだり、鍵の場所を考えながら読んだり、、、

7人が集められた意味とは?
鍵は見つけることが出来るのか?
学校に行けるようになるのか?
オオカミさまの正体は?
願いを叶えられるのか?
城の存在とは?

ラストの怒涛の謎解きは爽快です。爽やかな読後感に包まれると思います。

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